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TKP Research Memo(6):2020年2月期を最終年度とする中期経営計画を推進

注目トピックス 日本株
■成長戦略

1. 中期経営計画
ティーケーピー<3479>は、2020年2月期を最終年度とする中期経営計画を推進している。基本方針として、「持たざる経営」、「積極的な出店の継続」、「宿泊を含めた周辺事業の取り込み・内製化」、「M&Aを含む新規事業分野の開発」、「既存スペースのさらなる有効活用」、「高付加価値化と効率化」の6つに取り組む。特に注力する分野は、ホテル事業であり、宿泊研修市場を確立することによって成長を加速する戦略である。2020年2月期の目標として、売上高38,543百万円(3年間の平均成長率20.6%)、営業利益5,813百万円(利益率15.1%)を掲げている。特に、2020年2月期のホテル・宿泊部門については、現在開発中(予定を含む)の7ホテルによる業績寄与を織り込み、売上高7,056百万円(売上構成比18.3%)、営業利益1,846百万円(利益率26.2%)を見込んでいる。もっとも、これまでの既存事業の伸びやホテル事業等による上乗せ期待から判断して、業績全体の伸び率にやや加速感が足りないのは、既に手元にある案件のみを積み上げた計画となっていることが理由であり、保守的な前提と言える。

2. 成長戦略の方向性
同社の成長戦略の柱は、(1)積極的な出店方針、(2)CRMの強化、(3)稼働率及び顧客単価向上、(4)宿泊研修市場の確立の4つと捉えることができる。

(1) 積極的な出店方針
好調な外部環境のもと、積極的な出店を継続する方針である。出店には仕入れが欠かせないが、国内の不動産市況を見ると、都心地区では築20年以上のオフィスビルの割合が61%と高く、老朽化によるオフィスの移転により、同社の仕入れ対象が今後も増加する可能性が高い。新築オフィスビルの着工も堅調であるが、オフィス移転による坪単価の上昇のため、企業は経費を削減する手段として会議室を減らす企業が増加する見込みであり、同社事業にとっては追い風となる。企業向け研修サービス市場規模は、2015年に4,970億円とも言われ、同社事業の拡大余地はまだ大きい。

また、「リアル」と「バーチャル」を交えた効率的な出店戦略も進める。すなわち、収益性の高い高付加価値グレードについては出店拡大を継続する一方、それ以外はボリューム確保と効率重視で取り組むとともに、新たに開始した「クラウドスペース」の活用により、さらなる効率性の追求と裾野の拡大を目指す方針である。すなわち、後述する「顧客クラスに応じたアプローチ」との連動により、目的に応じたメリハリの効いた出店戦略と言える。

(2) CRMの強化
具体的には、「顧客クラスに応じたアプローチ」を推進する。同社は、売上高上位500社をヘビーユーザー顧客とし、VIP営業担当者が積極的な提案・細やかな対応をし、501社〜2,500社までをヘビーユーザーになり得る顧客と位置付け、顧客ごとの営業担当者による顧客ニーズの掘り起こしにより、単価の上昇・信頼関係構築・リピート化につなげるとしている。特に、この層については、顧客のためにイベント等で発生する会場・設備の手配や運営のサポートを行うスペシャリストであるイベントコンシェルジュを新たに創設し、単価の高い用途への誘導を行う方針だ。これまで、同社は上位500社のみ営業担当者を付けていたが積極的な需要の掘り起こしまでには至らなかった。今後は上位500社への積極的な営業及び2,500社までの顧客企業に新たに営業担当者を付けることで、売上高拡大を目指す。

一方、2,501社以降の単発利用の顧客及びライトユーザーについては、営業担当者は付けずに、コールセンターやクラウドスペースを活用した効率的なオペレーションを行うとしている。新たに開始したクラウドスペースはアプリを使った同社のマッチングサイトで、ビジネスセンター及びスター貸会議室の利用者及びスペース提供者を対象とし、オンライン上で会議室の予約等が完結する仕組み。クラウドスペースの導入によって、低収益顧客層への効率的なアプローチとケアが可能となるほか、新規ユーザー獲得のための集客インフラとしても活用できること、空きスペースマッチングサービス事業者への牽制、不動産オーナーとの接点拡大と潜在仕入れ先の開拓も目論んでいる。

(3) 稼働率及び顧客単価の向上
現状の法人貸会議室の稼働率の全体的な傾向としては、新卒研修などで需要がピークとなる4月は100%に近い状況だが、5~6月は80%と比較的高稼働が続くものの、閑散期である7月から3月までの稼働率は20〜40%と低くなっている。見方を変えれば、閑散期の存在は競合他社にとって参入障壁となる一方、閑散期を穴埋めするノウハウを蓄積してきた同社にとっては、稼働率の改善余地(アップサイド)が大きいと言うことができる。同社は、前述のとおり、イベントコンシェルジュの創設に加え、顧客データベースの強化及び活用によって、稼働率の向上及び単価のアップを目指す方針である。

(4) 宿泊研修市場の確立
同社は、これまでも新たな市場を創出しながら成長を実現してきたが、注力分野であるホテル事業についても、いかに宿泊研修市場を確立するかが成功のカギを握っている。米国などではリゾート施設などで行う「オフサイト・ミーティング」が定着しているが、日本でも生産性の向上や連帯感の醸成、創造性の発揮などを目的として、拡大の余地があるとみられている。同社においても、会議室利用の法人からの要望に対応する形で、既に郊外型宿泊研修施設(石のや・レクトーレ)を展開しており、研修による法人利用が増加する傾向にある。同社の場合、年間利用企業22,500社(うち、上場企業2,000社)がターゲットになるとともに、年間延べ利用企業数は94,900社に及ぶため、10回に1回の泊り込み研修でも展開余地は大きい。また、宿泊研修の1名当たりの売上単価は平均15,000円以上となっており、会議室のみでの利用に比べ、1名当たりの売上単価を大幅にアップすることが可能となる。稼働率についても、平日の法人利用と土日の個人利用の組み合わせにより高い水準を確保する戦略であり、平日の稼働率向上が課題となっているホテル業界においては、顧客基盤を有する同社にしかできない事業モデルと言える。また、足元では旺盛なインバウンド需要に対応する形でホテル建設が進んでいるが、仮に東京オリンピック開催後にその反動で供給過剰の状況に陥ったとしても、インバウンド需要に依存していない同社にとっては、市場に不稼働資産が増えることでさらなる事業拡大のチャンスとなる可能性も高いと目論んでいる。

弊社でも、当面の成長ドライバーとして、1)既存の貸会議室ビジネスの拡大、2)周辺サービス(料飲や各種オプションのほか、新たな需要の取り込み)による単価向上、3)新たな宿泊・研修市場の確立が軸となるものとみている。特に、注力分野である3)については、既存顧客による潜在需要の事前把握や宿泊施設の運営ノウハウなどを習得した上での本格展開であり、成功の確率は高いと考えられる。中期経営計画の上振れ要因となる可能性を含め、今後の立ち上がりに注目していきたい。

さらに、中長期的な目線では、貸会議室ビジネスで獲得した顧客基盤を他の事業へ活用できることから、貸会議室を起点としたプラットフォームビジネス(様々な需要のマッチング)や再生事業への展開という可能性にも着眼している。他社との提携やM&Aを含め、事業領域の拡大の動きもフォローする必要があるだろう。また、一般的に言えば、不動産業界は景気循環の影響を受けやすい事業特性があるが、同社の場合、不動産業界の低迷期こそ、事業拡大のチャンスがあるという見方が必要である。そのような視点からも、手元流動性やコミットメントラインの設定など投資余力を今後の事業拡大に向けていかに活用していくのかに注目したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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