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テクマト Research Memo(3):ネットワーク&セキュリティシステムの構築・保守等に強みを持つIT企業(2)

注目トピックス 日本株
■会社概要

3. 事業内容
テクマトリックス<3762>の事業は、ネットワーク及びセキュリティシステムの構築、保守、運用・監視サービスを展開する情報基盤事業と、医療分野やCRM分野等の業界及び業務特化型のソリューションサービスを展開するアプリケーション・サービス事業の2つのセグメントで構成される。直近3年間の事業構成比では、情報基盤事業が売上高で65〜67%、営業利益で80%以上を占めている。また、営業利益率では情報基盤事業が8〜9%台であるのに対して、アプリケーション・サービス事業が5%以下と低くなっている。これはアプリケーション事業で展開するクラウドサービス等の投資負担が重いことが主因となっている。償却前営業利益率で見れば両事業とも10%前後とほぼ同水準となっている。今後はクラウドサービス事業の成長が見込まれていることから、アプリケーション・サービス事業の営業利益率も向上していくものと予想される。各事業の内容は以下のとおり。

(1) 情報基盤事業
情報基盤事業では、ネットワーク及びセキュリティ分野において独自の目利き力を生かし、北米を中心にニッチながらも高い技術力、競争力、成長力を持つ製品を見極め、単なる製品販売にとどまらずシステムの構築から保守サポート、運用・監視サービスに至るまでワンストップ・ソリューションでサービスを提供している。

具体的には、グリーンIT※1、仮想化ソリューション※2、次世代ネットワーク、セキュリティ、ストレージ等の分野を対象としており、主要取扱製品にはF5 Networksの負荷分散装置※3、McAfeeのアンチウイルス・ソフト、Palo Alto Networksの次世代ファイアウォール、Dell EMCのクラスターストレージなどがあり、それぞれ販売一次代理店となっている。いずれも世界で高いシェアを持つ製品となっており、単体売上高に占める製品売上構成比では各2割程度、残りの2割がその他の製品群となる。

※1 省電力化など環境保護に配慮したITシステムのこと。または、IT活用による生産活動や流通などを効率化・最適化し環境負荷低減を目指す活動のことを指す。
※2 コンピュータシステムを構成する資源(サーバ、ストレージ、ソフトウェア等)に関する技術。複数から構成されるものを論理的に1つのもののように見せかけて利用したり、逆に1つのものを論理的に複数に見せかけて利用できる技術。
※3 Webサイトへのアクセス集中による反応の低下やシステムダウンを防止するため、多数のアクセス(負荷)が集中した場合に適切に複数のサーバに振り分ける(分散する)装置。


同社では先進的な技術を持つ製品や成長力があると判断した製品は、積極的に取扱商品としてラインアップしている。2017年2月に代理店契約を結んだCylanceの次世代アンチウイルス製品「CylancePROTECT®」もその1つである。同製品はAIを活用することで未知のマルウェア※でも高確率で検出することを可能にした製品で、ここ最近のIT業界では最も急成長した製品の1つとして知られている。

※マルウェア対策ソフトで検出されないよう意図して開発された新種や亜種のマルウェア。マルウェアとは無害を装ってパソコンに感染するコンピュータウイルスの総称。


販売先の売上構成比では、民間企業向けが約7割、官公庁・地方公共団体向けが約3割となっている。民間企業の中には通信事業者やデータセンター事業者等のITサービス企業も含まれている。ネットワーク及びセキュリティ分野は、ネットセキュリティへの関心が高まるなか市場が拡大しており参入企業も多いが、同社では高い技術力に加えて、24時間365日の保守サポート体制、有人による運用・監視サービスなど、ワンストップで高品質なサービスを提供できる総合力を持っていることが強みとなっている。

連結子会社のクロス・ヘッド及び沖縄クロス・ヘッドは、ネットワークやサーバの運用・監視のほか、ネットワークエンジニアの派遣、セキュリティ製品やストレージ製品の販売等を行っている。

(2) アプリケーション・サービス事業
アプリケーション・サービス事業では、特定市場や特定業界向けにシステム開発、アプリケーション・パッケージ、テスト・ソリューションのほか、クラウドサービス等を展開している。対象分野としては医療、CRM、インターネットサービス、ソフトウェア品質保証の4領域となる。2018年3月期第2四半期累計の売上構成比では、医療分野とCRM分野が各25%程度、インターネットサービスが30%弱、ソフトウェア品質保証が20%強となっている。

a) 医療分野
医療分野では、主力の医療情報クラウドサービス「NOBORI」や、「NOBORI」をプラットフォーム化し、他社サービスも含めた複数のサービスを利用できるようにした「NOBORI PAL」のほか、連結子会社の医知悟で展開する遠隔読影のためのインフラ提供サービス「医知悟」がある。

「NOBORI」は医療施設向けに提供するクラウド型PACSである。同社は1998年にDICOM規格に対応した医用画像システムを開発し、PACS市場に参入したが、医療情報の病院施設外の保存が認められるようになった機会を捉え、クラウド型PACSサービスを2012年10月より開始した。同社のクラウドサービスは初期導入コストが不要なほか、データはクラウド上で安全に管理されているため、病院側でのデータのバックアップ等のメインテナンス業務負担から解放してくれる。既存のオンプレミス(サーバを院内に設置する方式)ユーザからクラウドサービスへの切り替えや、競合他社ユーザである中規模・大規模病院のリプレイス、従来は初期コストが高く導入に慎重だった小規模医療施設の新規開拓も進み、2017年9月末時点で契約施設数は約720施設まで拡大している。月額利用料は最低5万円からで、料金は導入後5年間に蓄積される画像データの予想量による従量課金制となり、大学病院等のヘビーユーザーではその数十倍にもなる。

国内のオンプレミス型のPACS市場では富士フィルムメディカル(株)や東芝メディカルシステムズ(株)、GEヘルスケア・ジャパン(株)など大手メーカが強いが、クラウドサービス型では同社が約8割とトップシェアとなっている。医療分野のクラウドサービスでは個人情報保護の観点からセキュリティ対策が重要となるほか、外部保存しているファイルサイズが非常に大きい医用画像をストレスなく院内で参照することが求められるため、同社がミッションクリティカルなシステム構築において高い技術力を持っていることが事業上の強みになっているものと思われる。「NOBORI」の損益については、2017年3月期に黒字化しており、今後は契約施設の増加に伴って利益率の向上が期待される。

また、「NOBORI PAL」は2016年4月より新たに開始したサービスである。「NOBORI」のプラットフォーム上でほかのサービスも利用できる月額サービスで、現在は自社開発した検査予約サービス「TONARI」、緊急時外部画像参照サービス「TSUNAGU」のほか、アドバンスト・メディア<3773>の医療向け音声入力サービス「AmiVoice CLx®」、Intrasense(フランス)の3D医用画像解析ワークステーション「myrian®」のサービスを提供しており、今後も多様なアプリケーション・サービスを追加していく予定である。

一方、「医知悟」は遠隔画像診断を行う放射線科医等の専門医と、画像診断(読影)を必要とする医療施設等とをつなぐ情報インフラを提供するサービス。「iCOMBOX」と呼ばれる専用通信装置を送り手側、受け手側の双方に設置し、「iCOMSERVER(センターサーバ)」を介して送受信するプラットフォームである。2017年9月末現在で650拠点以上に導入され、利用専門医数は1,380名以上(実質的に稼働している放射線科医の約3分の1が利用)、月間の依頼検査数は約18万件と市場シェアの約43%を占めている。主な導入施設は、医療施設のほか大手健康診断事業者、衛生検査所、各種病院等となる。また、中国でも合弁会社の北京ヘルステックにおいて病理画像の遠隔診断サービスを展開しており、徐々に実績が出始めている。

b) CRM分野
CRM分野では自社開発製品である「Fastシリーズ」を中心に、企業の顧客サービス向上を支援するコンタクトセンターCRMシステムをオンプレミス及びクラウドサービスで提供している。電話、メール、SNS等による「顧客との接触履歴」と「顧客の声」を一元管理し、コンタクトセンター運営を効率化するCRMシステム「FastHelp」のほか、インターネットによる自己解決型の顧客サービス・システム「FastAnswer」(FAQシステム)、顧客特性に応じた販売促進活動を支援するプロモーション支援システム等を提供している。CRMシステム市場では、国内トップクラスの導入実績となっている。また、クラウド型ではセールスフォース・ドットコムが主な競合先となる。

主要パートナーは、(株)ベルシステム24(ベルシステム24ホールディングス<6183>子会社)のほか、NTTデータ<9613>や伊藤忠テクノソリューションズ<4739>など大手システム・インテグレーターとなり、各企業のコンタクト(テレマーケティング)センターや顧客サポートセンターで導入されている。また、医薬品業界で「FastHelp」の導入実績が高いことも特徴となっている。製薬企業では、日本製薬工業会(製薬協)において提唱されている「くすり相談室」を一般的に設置しているが、国内の5割以上の製薬企業で同社のCRMシステムが導入されている。

c) インターネットサービス分野
インターネットサービス分野では、主にWeb系やスマートフォンのシステム開発のほか、ネットショップ向けの業務支援サービス、ビッグデータを活用したBIソリューション、金融機関向けの統合リスク管理システム等を提供している。また、連結子会社のカサレアルではインターネットサービスに関連するシステム開発や、技術者教育を行っている。

d) ソフトウェア品質保証分野
ソフトウェア品質保証分野では、ソフトウェアの品質向上や開発工程の生産性向上を目標に、開発過程での全ライフサイクルを支援するベスト・オブ・ブリード※の開発支援ツール(テストツールなど)及びコンサルティングサービスを提供している。取扱製品の中では、ソフトウェアテストツールであるParasoft製品が組み込み系ソフトウェアの開発分野で高い市場シェアを持っている。

※同一メーカのシリーズ製品を使うのではなく、メーカーが異なっても最良と思われる製品を選択し、その組み合わせで利用すること。


対象となるのは、デジタル家電や情報通信機器、自動車、医療機器、ロボットなどソフトウェアが組み込まれる機器のほか、金融システムのようなミッション・クリティカルなソフトウェア等も含まれる。市場別の売上高ついては、自動運転技術やEV関連技術の開発需要が旺盛な自動車業界向けが最も大きくなっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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