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個人投資家・株式注意女子:米中貿易摩擦の行方は大豆価格で確認を【FISCOソーシャルレポーター】

注目トピックス 日本株
以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家株式注意女子氏(ブログ「株式注意情報.jp」、ツイッター:@kabushikichuiを運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2018年3月25日20時に執筆

週末の株式市場は、米中貿易戦争懸念から大きく売られる展開となりました。報道などでは、世界中が株式投資は下落一色なのではないかとも取れるようなものが多いように思いますが、本当にそうなのでしょうか。

その行方を見守るには、米国大豆先物価格の動きを見ておくべきだと考えています。

2月にコモディティの専門家の方達とお話をする機会があったのですが、その時に話題になったのが大豆価格が大きく上昇していると言うもの。今思えば、米中貿易摩擦を懸念し米国産大豆の輸入を急いでいる動きが大豆価格に反映していたのだと思います。

米国からすると、中国はトップクラスの大豆輸入国です。また、米国の大豆生産地はトランプ支持者の多い中西部に集まっています。トランプ大統領からすると、自国の貿易赤字を解消したいという公約の実現に向けて動いているのは確かなことでしょうが、中間選挙を控えている今、支持者の多い地域の産業にデメリットな行動は避けたいのではないでしょうか。

一方中国は、先月から米国産の大豆に対しダンピング調査を開始するとともに、米国産大豆の検疫も厳しくしています。ですが、23日に中国が明らかにした対抗措置には、米国製品の輸入関税を最大25%引上げる準備をしているとのことですが、大豆は含まれていませんでした。

2017年度、中国の米国からの大豆輸入は前年比で13.9%も増加し、過去最高を記録しています。中国が本気で対抗措置をするのであれば、大豆に関税を課すでしょう。

これまでもトランプ大統領は、大きく言って、そこそこのところで話をまとめる手法を使っているように思います。となると、米中ともにけん制策を取りながら水面下で妥協案を探っているのではないでしょうか。

その証とも取れるのが米国大豆先物価格です。トランプ政権発足当時にも、米中貿易摩擦を懸念する動きがありました。その時に付けた大豆価格の高値が2017年1月15日の1067.40。今回の貿易摩擦懸念で付けた大豆価格の高値は2018年2月25日の1070.00と2017年の懸念が高まった時期とほぼ同水準で、そこを期に下げてきています。

債券市場やコモディティ市場で取引をしている機関投資家やプロの動きは、往々にして正しいことが多く、株式市場や為替市場に比べて先取りの動きが出やすいとすると、まだ高値圏を推移しているとは言え、大豆価格が落ち着きを見せ始めていることから、株式や為替の懸念が充満している相場も徐々に落ち着いてくるのではないでしょうか。

まだ、しっかりとした方向感は出ていないとは思いますが、落ち着きを取り戻せるのか否か、米国大豆先物価格の動きに注目だと考えています。

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執筆者名:株式注意女子
ブログ名:株式注意情報.jp




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