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ジャストプラ Research Memo(6):「Putmenu」を第2の収益柱に育成していく方針

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

2. Putmenu事業の状況と今後の見通し
ジャストプランニング<4287>は「まかせてネット」に続く第2の収益柱として、飲食店等の注文・決済業務を大幅に効率化する「Putmenu」の事業拡大に注力している。「Putmenu」はボクシーズが開発したIoTを活用したサービスで、スマートフォンアプリ「Putmenu」を使うことで商品の注文と決済をオンラインで実現するサービスとなる。同社は「Putmenu」の事業化権をボクシーズから買い取り、2018年2月に合弁会社、プットメニューを設立し、本格的に事業を開始している。なお、「Putmenu」は2016年4月に開催されたMicrosoft Innovation Award 2016でファイナリストを受賞したほか、2017年11月にはモバイルコンピューティング推進コンソーシアムにて総務大臣賞を受賞するなど業界でも高い評価を受けている。

同様のサービスは他にもいくつか開発されているが、「Putmenu」の特徴は店舗敷地内、あるいはテーブルごとにビーコンを配置することによって、利用者がエリア内に確実にいることを確認した上で、注文・決済の確定を行う仕組みにしたことにある。店舗側から見れば「Putmenu」を導入することによって、注文・会計業務の効率化を安全確実に進めることが可能となるほか、メニューの注文や会計処理にかかる時間も削減できるため、業務効率の向上につながるほか、待ち時間削減による顧客回転率の上昇により売上げアップの効果も期待できることになる。利用客から見れば、店舗に入店する前にアプリ上で注文メニューを指定し、入店直後に注文を確定、送信することも可能となるため待ち時間の短縮につながるほか、キャッシュレス決済により利便性も大幅に向上する。また、前述したようにアプリは12言語に対応しているほか、海外のオンライン決済サービスにも対応しているため、訪日外国人観光客の取り込みも可能となっている。将来的には「Putmenu」で収集した注文ビッグデータを活用したプロモーション支援サービスの提供も行っていく予定で、アドネットワーク企業との連携も視野に入れているようだ。

同社では販売ターゲットとして、ショッピングモールやアウトレットモールのフードコート内店舗の開拓を進めている。フードコートでは、休日に席の確保が困難なほど混雑するケースが多く、注文・決済業務の効率化に対するニーズが店舗側、利用者側ともに強いためだ。第1弾として、2018年1月よりイオンモール幕張新都心のフードコート内店舗「おひつごはん四六時中」に導入を開始したのを皮切りに導入店舗を拡大し、同年9月には新規オープンしたイオンスタイル仙台卸町のフードコート「杜のオアシス」(700席)に出店する11店舗に一括導入した。同フードコートでの取り組みは業界関係者の注目度も高かったようで多くの企業が視察に訪れたと言う。運用開始後、数週間を経過したが、時間当たりの注文件数が他のフードコートよりも格段に増えるなどの効果が出ており、評価も上々のようだ。従来は物理的に1分当たり1件の注文処理が限界であり、注文のための行列ができれば利用客が他店舗に流れ売上機会ロスにつながることもあったが、「Putmenu」を利用すればこうした問題も解消されることになる。また、仙台卸町店ではフードコート外の食料品店でも「Putmenu」を導入したいとの要望が出るなど波及効果も出ている。

2018年9月時点で「Putmenu」の導入店舗数は24店舗とまだ少ないものの、今後はイオングループの他のショッピングモールへの導入が進むと予想されるほか、同様に大型商業施設を運営する大手デベロッパー、あるいはファーストフード店等の外食チェーン企業への導入も予想される。外食企業以外にも、イベント会場等への展開の1つとして男子プロバスケットボールチーム、千葉ジェッツふなばしのホームアリーナへの導入が決定されている。Putmenu を使用することで、観客席及び会場内から注文し、スマホで決済(キャッシュレス)されるため、料理が出来上がると、注文したスマートフォンにお知らせが届きイベント中に行列に並ぶ必要がない。また、株式会社ベイシアが運営するベイシア新座店において、お惣菜を予約注文・事前決済出来るサービス「タッチ de デリカ」に Putmenu が採用され運用が開始される。これまでの Putmenuの機能に加えて、 当日〜最大3日後までの受け取り日時時間指定注文が可能な上、指定時間になると自動でスマートフォンへの呼び出しプッシュ通知が届き、利用者は注文時に指定した時間に店舗に受け取りに向かい、できたてのお惣菜をすぐに受け取る事が出来る仕組みが構築される。さらに、訪日外国人を呼び込みたい観光地での普及拡大も見込まれている。観光地(温泉街等)では街全体にビーコンを設置してIoT化し、キャッシュレス商業圏を確立するといった構想も出ている。観光自治体と連携をして、地方で実施される食、物産、体験などのあらゆるイベントシーンで「Putmenu®」の導入を推進して、2019 年 3 月末までには、5 観光地のテスト導入、2019 年 9 月末までには 20 観光地、2020 年 3月末までには 100 観光地の導入が計画されている。

なお、フードコートや観光地と並んで需要が強いと思われた空港内の飲食・物販店舗や高速道路のサービスエリアについては導入に時間が掛かりそうだ。これらの運営会社は保守的な企業風土であり、先進的なサービスの導入に慎重であることが要因と見られる。このため、当面はフードコートを中心とした外食企業への導入を優先して取り組んでいく方針となっている。

なお、開発投資についても継続的に進めていく予定にしている。前述したように使い勝手向上を目指したUIの改良を行っているほか、決済手段の更なる拡充(各種ポイント利用等)等も予定している。また、注文ビッグデータを活用した革新的なプロモーション支援サービスについても今後、アドネットワーク企業など関連企業と協業しながら開発していく考えだ。

2020年の東京オリンピック開催を見据えて、外食企業はインバウンド需要への対応に向けたシステム投資を拡大しており、同社にとっても2019年が「Putmenu」を飛躍させる好機になると弊社では考えている。料金プランについてはまだ検討段階のため流動的ではあるものの、仮に月額2.5万円とすると1,000店舗導入で年間売上高が3億円となる計算で、早ければ2020年にもこの水準を達成して収益に貢献する可能性があると弊社では予想している。


ASP事業の再成長とPutmenu事業の収益寄与により、中期的な成長ポテンシャルが高まる
3. 目標とする経営指標
同社は目標とする経営指標について、売上高経常利益率で35%の水準を目指している。ここ数年は売上構成比の変化(物流ソリューション事業の拡大)によって利益率の低下傾向が続き、2019年1月期は「Putmenu」の先行投資増もあって、経常利益率は16.8%の水準となる見込みだが、今後は「まかせてネット」を中心としたASP事業の再成長に加えて、新たにPutmenu事業が収益貢献することで利益率の上昇が見込まれる。また、成長性に関してもここ数年は停滞していたが、Putmenu事業が本格的に立ち上がる2019年以降は年率2ケタ成長と再び高成長ステージに入るものと弊社では予想している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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