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USENNEX Research Memo(5):2024年8月期に営業利益130億円を目指す

注目トピックス 日本株
■中期経営計画

1. 中期経営計画「NEXT for 2024」
USEN-NEXT HOLDINGS<9418>は2019年6月に、「必要とされる次へ。」をスローガンとする中期経営計画「NEXT for 2024」を策定した。2020年8月期にスタートする5ヶ年計画で、基本戦略は1)顧客資産の最大活用と安定収益基盤の構築、2)キャッシュカウ事業の更なる強化及びその創出資金による成長領域への積極投資、3)労働環境の見直しによる生産性の向上・業務効率化、4)財務バランスの最適化、5)持続可能な成長投資と継続的な株主還元??の5つである。これにより、2024年8月期に売上高2,700億円、営業利益130億円、及び良質な財務バランスの実現を目指し、できれは配当性向を将来的に30%へと引き上げたい考えである。このため同社は、「NEXT for 2024」に従って成長戦略を展開するとともに、経営指標として最も重要と言われるROE(自己資本当期純利益率)とその構成因子(自己資本と親会社株主に帰属する当期純利益)をベンチマークしていく方針である。


安定高収益のキャッシュを成長に生かす
2. グループ中期経営ビジョン
統合の目的は、祖業で事業基盤でもある音楽配信事業は大きな成長性を見込めないものの非常にキャッシュカウであり、そのキャッシュを音楽配信事業以外の成長事業育成に生かすことである。加えて、グループ入りしたキャンシステムと合わせて75万件と盤石になった顧客基盤を軸に、これまで企業や事業でばらばらだった営業や技術支援、サービスを統合し、クロスセルを強化して顧客ごとのアップセル(客単価上昇)を図り、1顧客当たりの売上を最大化しようという狙いもある。また、高齢化やキャッシュレス決済化、インバウンドの増加などにも対応していく考えである。このため、同社は統合を機に事業を整理し、顧客基盤が盤石でキャッシュカウな安定高収益事業(音楽配信事業)、安定したニーズで成長を続ける安定成長事業(業務用システム事業、SaaS/回線事業、メディア事業)、将来の収益源と期待される高成長事業(コンテンツ配信事業、エネルギー事業、店舗向けIoT事業)??の3事業にポートフォリオ区分した。また、新たなサービス・商品を創出する環境を構築するために、従来のトップダウン型からボトムアップ型へと経営体制の進化が求められる。このため、「働き方改革」が同社の戦略の中でも重要な位置付けとなっており、スーパーフレックスタイム制度やテレワーク制度を導入、オフィス改革としてフリーアドレスやコミュニケーションのためのフリースペースの拡充を推進、働くことに真剣に向き合える環境を整備していく。加えて、グループ社員の定年を60歳から70歳に引き上げ、ノウハウ・技術の流出や衰退を防ぎ、グループナレッジの蓄積を進める考えである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)




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