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三栄コーポ Research Memo(3):主力の家具家庭用品事業では国内外大手顧客向けOEMが柱

注目トピックス 日本株
■事業概要

1. 家具家庭用品事業の動向
三栄コーポレーション<8119>最大の事業セグメントが、家具家庭用品事業である。この事業は、OEMの比率が高く(売上高の約93%)、良品計画に代表される大手顧客の事業の伸びとともに成長してきた。2013年3月期に17,007百万円だった売上高は2017年3月期に27,431百万円まで成長、直近は欧州顧客の大口のスポット受注のはく落や米国量販店向けの縮小などが影響して調整局面を迎えたが、2020年3月期第2四半期は大幅に利益を回復している。今後も大黒柱であることは間違いない。

成長著しいブランドとして、自社のeコマースブランド「MINT」等がある。自社の販売サイト、楽天やYahoo!で1,000を超えるアイテムを販売しており、リーズナブルな価格の良質なベッド、マットレスやアンティーク調家具、インテリア等が消費者のニーズに合致し、成長している。2019年3月には、マレーシアで家具・インテリアの自社工場(約4,000m2)が本格稼働を開始した。自社ブランドやOEM商品の製造はもちろん、ODM提案が図れる開発拠点としても活用していく方針である。

2. 服飾雑貨事業の動向
服飾雑貨事業ではブランド事業の存在感が高く(売上高の約49%)、本来は収益性の高いセグメントである。

同社が取り扱う最大のブランドが「ビルケンシュトック」である。ドイツで240年以上の伝統がある機能美に優れたコンフォートサンダル・シューズブランドであり、1万円前後の価格帯にもかかわらず根強いファン層に支持されている。直営の64店舗とeコマースで販売され、長く使う顧客が多い商品だけに自社運営のアフターサービスも充実している。直営店舗は集客力のあるショッピングセンターや有名百貨店に出店する。一時期のブームが落ち着いたことや、グローバルの価格引上政策の影響で直近は減収減益傾向であり、復活に向けて取り組みを強化している。

「ビルケンシュトック」の小売店事業は子会社ベネクシーが運営し、その売上高は全社売上高の約14%に相当する。現在、不採算店の閉鎖やスタッフ・販売員の販売力強化、処遇改善を推進している。店舗の賃貸借契約期間内での撤退は違約金が発生する等の理由からスクラップ&ビルドには時間がかかり、効果発現には2〜3年程度かかると想定される。

3. 家電事業の動向
家電事業ではOEM事業の比率が約62%、ブランド事業の比率が約38%である。

OEM事業では、中国の子会社である三發電器製造廠有限公司が調理家電、理美容家電を製造、販売する。ブランド事業においては、子会社(株)mhエンタープライズが「Vitantonio®(ビタントニオ)」ブランドの調理家電、「mod’s hair(モッズ・ヘア)」ブランドの理美容家電を取り扱う。また、子会社(株)エスシーテクノは、「MULTI CHEF(マルチシェフ)」ブランドの業務用ブレンダーを製造・販売する。近年、OEM事業は国内、海外ともに堅調に推移、ブランド事業は、調理家電が減収傾向も、理美容家電が好調。全体として売上高・営業利益ともに堅調である。

直近、ヒット商品となったのは、理美容家電ブランド「mod’s hair」のモバイルヘアアイロンである。通常のコンセントだけでなく、付属の「microUSBケーブル」と手持ちの「モバイルバッテリー」で充電可能なため、いつでもどこでもスタイリングが可能。手のひらサイズの約52gだが、最高温度190℃でがんこなくせ毛や寝ぐせもしっかりセットできる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)


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