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ダイナムジャパンHD Research Memo(7):2018年規則への対応は順調に進捗(2)

注目トピックス 日本株
■ダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>の中長期成長戦略と進捗状況

(3) 既存店売上高の成長への取り組み
業界再編や規制対応といった大きなテーマと並んで、日々の収益確保への取り組みも重要であることは言うまでもない。この点については、2020年3月期中間期はパチスロ機の強化を主体に取り組んだ。

パチンコ機については前述のように2018年規則に準拠した新型機の投入が始まっているが、メーカー側からのリリースの動きがスローで、ヒット作も生まれていない状況だ。一方パチスロ機も射幸性規制がかけられており、パチンコ機同様2021年1月末までに高射幸性機の完全撤去が求められているが、そうしたなかで、パチスロ機においてはヒット作が生まれたこともあり、パチスロを楽しむ客足が伸びている状況となっている。

こうした状況を受けて同社も、パチンコ機の購入費を前中間期比で減額する一方、パチスロ機の購入額を増額した。また、店舗内のスペース割でも、パチンコ機からパチスロ機へ変更(パチスロ機の設置スペースの増床)するなどの施策を実施した。

さらに貸メダルの価格設定においても、同社が全店で進める低貸メダル営業強化の枠組みは維持しつつも、顧客ニーズに合わせて5円から10円に貸メダル金額を変更した。

これらの施策の結果、2020年3月期中間期のパチスロの営業収入は、前中間期比7.8%(2,029百万円)増の27,989百万円となった。パチスロ人気及びそれに対応したパチスロシフトは業界全体のトレンドであるが、業界全体の伸び率は1.9%にとどまっており、同社の営業実績の高さが際立つ結果となった。また、パチスロ機設置台数は2020年3月期中間期は前中間期比3.9%増だった。パチスロ営業収入の伸び率が設置台数の伸び率を上回ったことで、パチスロ機1台当たりの収入も拡大したことがうかがえる。

同社はこうした状況はまだ続くとみており、2020年3月期下期以降も計画的にパチスロ機の設置比率を引き上げていく方針だ。同社のパチスロ設置比率は2019年9月末時点で30.1%と、市場全体の39.5%を10%近く下回っている。この事実に照らすとパチスロ設置比率を引き上げるという同社の経営判断は妥当なものと言え、その効果もまた高いものが期待できると弊社では考えている。

(4) 店舗数の拡大への考え方
同社の成長戦略の2つの軸のうち、店舗展開については、当面、動きはないとみられる。これはオーガニック出店とM&Aのいずれも同様だ。

同社が店舗展開について消極的な理由は簡単で、2018年規則が原因だ。現時点で店舗を新規出店するに当たっては、市場に新規則対応の新型機が十分に供給されていないことや、未だ顧客による支持率の高い旧規則機の市場調達ができていないため、競合店との競争に負けてしまうことが明白なためだ。しかし、これらの旧型機はいずれ新型機に入れ替える必要が出てくる。すなわち、今現在店舗を増設するということは、その初期投資の回収が進まないうちに、遊技機入替の出費を迫られるため、まったくそろばんが合わないということだ。こうした事情はM&Aによる店舗取得のケースも同じだ。

したがって、同社が店舗展開で再びアクセルを踏み始めるのは、早くて2021年2月ということになるだろう。現実には、2018年規則の期限を迎えて、業界地図がどのように変わっているか、その影響を見定めてからになると考えられる。

こうした同社の判断は極めて合理的で、妥当と言える。同業他社のほとんども似た判断をしていると推定される。こうした現状から推測されることは、現在、パチンコホール業界においてM&Aのエネルギー、特に事業売却へのニーズが蓄積されつつあるのではないかということだ。買い手がまったくいない状況は売り手の心理的にも圧力が高まっていると想像される。2021年2月以降、動きが出始めた際には、そうしたニーズが一気に表面化してくることが予想される。そうした状況は、まさに業界大再編時代の幕開けと言えるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)



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