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日本調剤 Research Memo(8):調剤薬局業界で大手の集約化が一段と進むなか、積極的な店舗拡大を目指す

注目トピックス 日本株
■日本調剤<3341>の中長期の成長戦略

2. 調剤薬局事業の成長戦略
(1) 薬機法改正による影響について
調剤薬局(保険薬局とも呼ばれる)のビジネスは、“薬局”という業態自体が国の健康保険制度のなかで規定されているため、国(厚労省)が進める制度改革の方向性と、事業者自身の目指す方向性がそろったときに、より大きな効果が期待できると考えられる。こうしたなかで調剤薬局業界の環境を大きく変える可能性がある薬機法の改正が2019年12月に行われた。今回の改正法の主なポイントとしては、2020年9月よりオンライン服薬指導が全国で解禁されること、2021年8月から新たな薬局機能認定制度が導入されることの2点となる。

遠隔服薬指導(2020年9月よりオンライン服薬指導)については今までも、国家戦略特区で行われていたが全国で解禁となることや今後は遠隔診療の普及も見込まれることから、調剤薬局では重要なサービスの1つとなることが予想される。特に、同時に患者の服薬期間中のフォローも義務化されるため、オンライン化に対応することは調剤薬局にとって重要な施策となる。

また、薬局機能の認定制度では、患者自身が自分に適した薬局を選択できるようにするため、入退院時等に他の医療施設と連携して対応できる機能を持つ「地域連携薬局」、がんなどの専門的な薬学管理に対応できる機能を持った「専門医療機関連携薬局」に分類し、一定の要件を満たしたうえで都道府県知事が認定し、1年ごとに更新する制度となる。これは地域包括ケアシステムを構築していくため、地域におけるかかりつけ薬剤師・薬局(地域連携薬局)の機能強化を促進し、また、専門的な薬学管理を必要とされる調剤薬局との棲み分けを明確化するための施策とも言える。「地域連携薬局」に関する認証要件の主なものとしては、医療提供施設との情報共有のほか、かかりつけ薬剤師・薬局としての業務体制及び在宅医療への対応が一定基準以上なされていることなど、従来、地域支援体制加算やかかりつけ薬剤師指導料など調剤報酬改定において都度、評価してきた要件となっている。

こうした改正に対する同社の取り組みについては、今のところ順調に進んでいるものと評価される。遠隔服薬指導については、ICT化への取り組みを1990年代から自社開発によって取り組んできたこともあり、業界のなかでも先行している。同社が提供している「お薬手帳プラス」(電子お薬手帳:2020年4月時点で約50万人が利用)を活用したリアルタイムでの情報の一元化を既に確立しており、2020年9月の全国解禁以降は先行者メリットを生かしていくことになる。なお、新型コロナウイルス感染拡大に対応するため、2020年4月には同感染症対応のための電話や情報通信機器を用いた服薬指導も行っている。また、同社は、ここ2年間ですべての薬局において、地域支援体制加算に対する取り組みを進めてきたことから、地域連携薬局等の認定制度導入についても追い風になると考えられる。

(2) 同社の成長戦略
同社の成長戦略は、2015年に厚労省が策定した「患者のための薬局ビジョン」のなかで示された将来の調剤薬局の在り方や機能の変化、また、それによって引き起こされる業界構造の変化を見据えた戦略となっており、現在も基本戦略は変わっていない。

出店戦略については前述したとおり、「バランスを重視した出店」を進めていく。自力出店を中心に年間50店舗の出店を進め、かつ、主要都市部を中心に門前型とハイブリッド型をバランスよく出店していくことで、売上規模の拡大を図りながら安定した事業基盤を構築していく方針となっている。薬機法の改正によって、今後は大手資本による集約化が一段と加速すると見られるが、同社においても今後はM&A案件が増えていくものと予想される。

また、「経営基盤の強化」を目的に、人材育成による対人業務の強化、及びICT活用による患者の利便性向上と業務効率の改善に取り組んでいる。対人業務の強化に関しては薬機法改正による機能別認定制度を見据えた取り組みとして、質の高い教育を推進している。2018年4月より薬剤師の知識・スキルや、認定資格の取得状況によって複数のステージを設けた社内認定制度を導入し、外部認定資格の取得奨励や年間100名以上の病院研修などを実施している。こうした取り組みの結果として、外来がん治療認定薬剤師の資格取得者数については調剤薬局のなかでトップとなっており、2020年4月末現在では、資格を取得した薬局薬剤師の約4人に1人が同社の薬剤師となっている。質の高い教育を行うことで薬局機能が強化され、医療サービスの質の向上、出店拡大、質の高い薬剤師の採用といったように好循環を作り上げている。

ICTの活用に関しては前述した「お薬手帳プラス」だけでなく、2017年から開始している健康相談システム(地域住民の健康維持をサポート)や、2019年にはオンラインストアも開設し、ヘルスケアサポート商品などの販売も開始している。また、薬局内の業務効率向上に対する取り組みも進めていく。具体的には、売上規模で年間5億円以上の中規模以上の店舗に対して、自動薬剤ピッキング装置や自動PTPシート払出装置などを導入していく。2020年度に50店舗、2年目に70店舗、3年目に80店舗と合計3年間で200店舗に導入する計画で、投資額は約20億円程度となる。

年間売上5億円規模の薬局では薬剤師が5〜6名必要となるが、自動薬剤ピッキング装置や自動PTPシート払出装置などを導入することで1人分の省力化が可能となるほか、ヒューマンエラーの抑止や在庫管理の効率化が進むといったメリットが見込まれている。薬剤師は空いた時間を対人サービス業務に充てることが可能となり、医療サービスの質の向上につながっていく。こうした機械化投資は売上規模が一定規模以上でないと導入のメリットが生かされない。同社グループの1店舗あたり年間売上高が約3.7億円であるのに対して全国平均は約1.2億円となっており、機械化投資を進めることで競争力の向上につながるものと思われる。

同社ではこうした戦略を着実に進めていくことで、調剤薬局の業界シェア10%を目指していく。現在の売上高は2,310億円で業界シェアは2.5〜3.0%程度と見られており、10%のシェアを達成するためには売上規模で3倍強となる7〜8千億円が必要となる。数字だけ見るとハードルが高く見えるが、2008年3月期の調剤薬局事業の売上高が777億円、その後12年かけて3倍に規模を拡大したこと、今後、業界大手による集約化が進むことを考えれば、実現の可能性は十分あると弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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