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フォーバル Research Memo(1):2022年3月期第1四半期はコロナ禍の影響が残るものの増収増益

注目トピックス 日本株
■要約

フォーバル<8275>は、「中小・中堅企業の利益に貢献する次世代経営コンサルタント集団」を旗印に事業展開している。IP統合システム、情報セキュリティ、Web構築などの情報通信コンサルティングを得意とし、総合コンサルティング、海外進出、人材・教育、環境、事業承継などの経営コンサルティングなどを行う。従来は情報通信機器の卸売販売を主に行っていたが、2000年代半ばに大きな売上・利益減に直面し、アイコンサービスを主軸としたコンサルティング業態に転換した。情報化や経営改善、海外進出や事業承継など中小企業が抱える様々な課題を解決するユニークな企業である。中小企業においてもDXが喫緊の課題となっており、同社の役割がより重くなっている。

1. 事業概要
フォーバルビジネスグループが事業の柱である。同事業グループでは、中小企業向けに、IP統合システム、情報セキュリティ、Web構築などの情報通信コンサルティングのほか、総合コンサルティング、海外進出支援、人材・教育、環境、事業承継などの経営コンサルティングサービス、OA・ネットワーク機器の販売、サービスの取次ぎなどを手掛ける。

2. 業績動向
2022年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比3.0%増の11,321百万円、営業利益が同14.2%増の322百万円、経常利益が同41.7%増の340百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同315.1%増の352百万円となり、東京都をはじめ全国各自治体で緊急事態宣言が発出するなど新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響は依然続くものの、堅調な業績となった。

2022年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比0.4%増の50,000百万円、営業利益が同14.6%増の3,000百万円、経常利益が同20.8%増の3,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同39.9%増の1,900百万円となり、堅調な増収と利益のV字回復を予想する(期初予想より変更なし)。中小企業のデジタル化が求められるなか、アイコンサービスに注力することで増益を目指す。

3. 成長戦略
同社は2021年7月に、自動発券機・ICカード対応機器などの製造・販売を行う(株)エルコムの全株式を取得し完全子会社化した。エルコムは1976年設立の、45年以上の歴史を持つメーカー。事業内容は、公共施設向けの施設管理システムの構築・保守受託、自動発券機・ICカード対応機器・入退室ゲートシステム等の開発・製造・販売・保守などである。顧客は、公共のスポーツ施設や駐輪場、動物園や水族館、博物館などのレジャー・文化施設、飲食店やイベント会場など幅広い実績がある。広域利用のICカードを発行できる「第三者型発行者登録」の許認可を取得するなど、ICカードに早くから取り組んでおり、ICカード対応券売機ではシェアトップの企業である。今後は、スマートフォンなどを利用したキャッシュレス決済対応や新紙幣の発行(2024年上期予定)による買い替え需要など事業機会が拡大する可能性が高い。今回の完全子会社化により、相互の顧客網への販売による売上拡大やグループ間のエンジニアの補完による収益機会の最大化などのグループシナジーが期待できる。直近の売上高は1,478百万円(2020年9月期)であり、同社の通期業績にも貢献することになる。

4. 株主還元策
2022年3月期は、配当金26円(維持)、配当性向35.0%を予想する。コロナ禍で影響を受けた2021年3月期は、配当金額26円を維持した。

■Key Points
・2022年3月期第1四半期は、コロナ禍の影響残るものの増収増益
・2022年3月期は売上高500億円、営業利益30億円を予想。中小企業のデジタル化が求められるなか、アイコンサービスに注力し増益を狙う
・自動発券機・ICカード対応機器に強いエルコムの全株式を取得し子会社化

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)



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