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エーバランス Research Memo(6):脱炭素化に向け国内外で太陽光発電の需要拡大が続く見通し

注目トピックス 日本株
■Abalance<3856>の業界環境

地球温暖化が原因とされる異常気象による自然災害が世界各国で頻発するなか、2021年11月開催の国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)の成果文書「グラスゴー気候合意」でも地球温暖化に対する危機感が改めて確認されるなど、世界的に脱炭素化に取り組む機運が高まっている。企業においてもSDGsの取り組みの1つとして、温室効果ガス排出量削減に向けて再生可能エネルギーの導入を進める企業が増えているほか、金融市場においてもグリーンファイナンスによる資金調達を行う企業が増えている。また、気候変動リスクへの対応を含む非財務情報に係る開示拡充の要請が国際的に高まっており、株式市場では投資を行う際の判断基準の1つとして組み入れる機関投資家も増えている。

国内では日本政府が成長戦略の柱に経済と環境の好循環を掲げ、グリーンエネルギー社会の実現に最大限注力するとして、2050年カーボンニュートラルを世界に向けて宣言した(2020年10月26日)。地球温暖化への対応は経済成長の制約ではなく、積極的な温暖化対策が産業構造や経済社会の変革をもたらし、成長の活力になるとしている。また、2021年4月には2030年度までに温室効果ガスの排出を2013年度比で46%削減する目標のもと、「第6次エネルギー基本計画(素案)」にて主力電源としての再生可能エネルギー導入に最優先で取り組む方針を明らかにし、同年5月に「改正地球温暖化対策推進法」が成立した。

2021年10月に閣議決定された「第6次エネルギー基本計画」によれば、2030年度の電源構成について、再生可能エネルギーの導入比率目標を2019年度の18%から36〜38%と従来目標(22〜24%)を上方修正した。このうち太陽光発電の導入量については2021年時点の55.8GWから2030年は103.5〜117.6GWと約2倍に増やすことを目標としている。メガソーラー発電所に適した場所が少なくなっているなかで目標達成に向けた施策として、「改正地球温暖化対策推進法」に基づくポジティブゾーニング(再生可能エネルギー促進特区を設定して積極的な案件形成を行う取り組み)や自治体の計画策定に対する支援を行い、公共施設等での導入促進を図っていくことにしている。同社は2030年に自社保有発電所の能力1GWを目標としていることから、太陽光発電シェアでは約1%となる。

一方、海外市場では欧州でカーボンニュートラルの実現に向けて、今後10年間で官民合わせて1兆ユーロの投資を行うことが発表されているほか、米国でもバイデン政権が2030年までに温室効果ガスを2005年比で50〜52%削減、2050年にカーボンニュートラルを達成することを目標に掲げた。2021年9月には米国エネルギー省が、2035年までに電力部門の脱炭素化を達成するためには、電力供給のうち太陽光発電の占める比率を現在の約3%から約40%に引き上げる必要があるとの試算を発表している。目標を達成するためには2025年までに年間30GW、2025〜2030年まで年間60GWのペースで増強していく必要があると言う。このため、今後米国市場では太陽光パネルの需要が一段と拡大する可能性がある。

国内外でのこうした動きは、グリーンエネルギー事業、太陽光パネル製造事業を展開する同社にとって、収益成長を図るうえで大きな追い風になるものと考えられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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