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富士ソフト Research Memo(9):「企業価値向上委員会」による一歩踏み込んだアウトプットに期待(3)

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

5. 人財育成と業務・働き方改革の効果顕在化により、生産性は向上傾向にある
富士ソフト<9749>は、新卒の大量採用を軸とする人財投資に注力する一方で、「ゆとりとやりがい」の実現に向けて、多様なライフスタイルに合わせた働き方改革・支援を真剣に実践している。

具体的には、1990年に導入したコアタイムなしのフレックスであるスーパーフレックス制度を一段と進化させた「ウルトラフレックス制度(スーパーフレックス制度+時間帯を固定することなく30分単位で有給休暇や10分単位のリフレッシュタイムが取得可能)」のもとで、残業削減・有給取得促進や遠隔地勤務の環境整備や全社員を対象とした在宅勤務制度の本格運用に取り組んでおり、2020年には政府による緊急事態宣言発出の2ヶ月前から取り組み、2020年4月より在宅勤務準備金(初期費用としての手当を一時支給)・支援金(電気代・通信費としての手当を月次支給)制度を導入している。

こうした結果、1)有給休暇取得率:67.5%(2020年4月から2021年3月、厚生労働省「就労条件総合調査」による2020年の従業員30人以上の民間企業実績は56.3%)、2)「常時在宅+在宅中心」社員の比率:44%(2021年4月から同12月)、3)育児休業取得者:192名(2020年4月から2021年3月)、4)年間平均所定外残業時間:24時間33分(2021年4月から同12月)、など良好な実績を残している。こうした優れた実績が評価され、外部機関からも、次世代育成支援対策推進法に基づく「プラチナくるみん」認定(厚生労働省)、女性活躍推進法に基づく「えるぼし」認定(厚生労働省)の最高位を始めとして、テレワーク先駆者百選(総務省)、健康経営優良法人(経済産業省)、神奈川子ども・子育て支援推進事業者(神奈川県)、準なでしこ(女性活躍推進に優れた上場企業、経済産業省)といった認定を獲得している。

新卒の大量採用は人的戦力の希薄化だけでなく離職率上昇につながる可能性を持ち、働き方改革の推進は既存社員の稼働時間短縮や先行コストの増加に直結するため、短期的には1人当り営業利益(営業利益/期首期末平均従業員数)等の生産性指標にとっては抑制要因となるケースが多い。同社の場合、働き方改革の成果を出しながら新卒の大量採用を開始した2015年12月期以降、直後の2年間は1人当り営業利益が減少しているものの、2021年12月期には115万円弱(2016年12月期比55.4%増)にまで向上している。

より詳しく見ると、単純計算による新卒含有率(単体+上場子会社新卒採用者数/前期末連結従業員数)は、2014年12月期の1.5%から2018年12月期の7.2%まで年を追って上昇、その後ピークアウトするも2021年12月期も5.9%と高止まりしている。加えて、月平均所定外残業時間は2014年度に30時間49分であったが2016年度以降は25時間以内へと大幅に減少、有給休暇取得率も2015年度以降は70%前後の高水準を維持している。こうしたなかで1人当り人件費(連結人件費/期首期末連結従業員数)の上昇(2014年12月期:598万円→2021年12月期:636万円)を伴った労働生産性の向上(1人当り営業利益、2014年12月期:78万円弱→2021年12月期:115万円弱)と離職率のピークアウト(単体ベース、2020年12月期:11.6%→2021年12月期:6.4%)を実現していることは、ICT利活用の実践や勤務形態・労働環境の継続見直しを通じて、業務の仕組みと社員の「ゆとりとやりがい」の向上に真剣に取り組んできた結果と言え、高く評価して良いだろう。

また、これまで推進してきた同社の働き方改革は、コロナ禍にあっても大きな混乱なく事業を継続するための強力な武器となった。また、ITソリューションベンダーによるテレワークや在宅勤務の大規模な実践は、典型的なドッグフーディングとも言え、そのメリット(経費削減、業務効率化など)/デメリット(セキュリティ問題、コミュニケーション不足など)を体感したことの意義は大きい。実際、「FAMoffice」の外販や顧客とのDX協業といった形で事業面に活かされている。

残業削減や有給休暇取得増加の余地は既に縮小し、今後は業務改革や働き方改革による効率アップも期待できる。2022年12月期は新卒含有率が6.7%まで再上昇し、新中期経営計画で示された2024年12月期における収益性目標は人財投資の加速を前提としている感触がある。しかしながら、従業員1万7,000人超に達した今、新卒含有率が年々高まり続けるはずはない。中長期的観点に立てば労働生産性が向上する蓋然性は高まっているように見え、2025年以降に一段の収益性向上が実現される可能性を指摘しておきたい。

6. 人財投資とセットになった不動産投資
人財投資を付加価値向上戦略の基礎とする同社は、人財が付加価値を生み出す空間であるオフィス等を生産工場として捉え、自社で所有することを推進してきた。同社は不動産を所有するメリットとして、定性的には「セキュリティ問題やプロジェクト対応等における自由度の高さ」と「信用力・ブランド力・モチベーションの向上」を定量的には「投資に対する高い収益率」と「安定的なコスト抑制効果を通じた企業基盤の安定化」を認識していると思われる。

ただ、同社が独自に定義する「投資に対する高い収益率」に対する市場関係者の納得度にはバラツキがあるように思える。そこで、従業員1人当りの有形固定資産や地代家賃価、建物の減価償却費について、売上高2,000億円から5,000億円規模の同業5社と比較する考察を行ってみた。

地代家賃等の開示基準が同一ではないため概数で表現すると、1)同社の1人当り有形固定資産は同業5社平均の2倍程度ながら同水準の企業もあった、2)同社の1人当り地代家賃は年間で20万円に達しておらず絶対水準として極めて低い、3)1人当り建物の減価償却費については同社と同業他社の間で有意な差異は認められなかった。

なお、同社の1人当り地代家賃は、建物に関わる減価償却費を勘案しても同業他社の数分の一程度と推察される。1/5程度であると仮定した場合、連結従業員数が1万5,000人規模であった同社は年間120億円程度のコストセーブを安定的に実現しているとの試算が成り立つ。つまり現時点においては、ファシリティ事業の貢献(営業利益で9億円強)や保有不動産の含み益(150億円程度)を加えるまでもなく、同社の不動産投資は収益性にとってプラスに働いていると考えられる。

当然ながら、自社の収益性が向上するにつれて不動産投資を含む投資判断のハードルは引き上がることになる。また、ウィズ・コロナ時代の到来やメタバースの発展が今後の投資判断に大きな影響を与えることも明らかであろう。同社についても、成長ステージや環境変化に対応する投資ディシプリンの確立を望みたい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)



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