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富士紡HD Research Memo(7):2023年3月期売上高と営業利益は増収増益の見通し

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

1. 2023年3月期の業績見通し
富士紡ホールディングス<3104>の2023年3月期通期の業績予想については、売上高は37,200百万円(前期比1,284百万円増)、営業利益は6,200百万円(同322百万円増)、経常利益は6,400百万円(同354百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,500百万円(同45百万円増)としている。

同社では、2023年3月期第2四半期の連結業績は、研磨材事業が旺盛な半導体需要に支えられ堅調に推移したことなどから、売上高・利益ともに期初の予想を上回る結果となった。しかしながら、第3四半期以降の業績については、原材料高騰などによるコストアップに加えて、半導体市場が生産調整の局面に入りつつあることから不透明感が増している。このような状況を踏まえ、2022年5月13日に公表した通期連結業績予想の売上高を36,500百万円から37,200百万円に上方修正しているが、営業利益については当初計画通りとしている。また、同社は中長期的観点から、積極的な設備投資を行いEBITDAを向上させるとしている。

2. セグメント別業績見通し
(1) 研磨材事業
半導体業界では、各調査機関の予測レポートによると、2022年後半〜2023年前半にかけて半導体世界市場は生産調整局面に入ると見込んでいる。同社でも、2023年3月期第3四半期以降は半導体の生産調整局面を想定しており、売上高16,000百万円(前期比5.7%増)、営業利益3,800百万円(同3.2%増)を見込んでいる。2023年3月期上期(第2四半期累計)の業績が期初計画を上回る結果となったため、通期計画は増収増益としている。

(2) 化学工業品事業
受注状況は引き続き好調を維持するも、原料・燃料価格の高騰が継続しているため、コスト上昇分を価格転嫁して収益確保に努めている。売上高11,800百万円(前期比3.4%増)、営業利益1,420百万円(同3.9%増)の増収増益を見込んでいる。

(3) 生活衣料事業
売上高7,000百万円(前期比0.2%増)、営業利益800百万円(同5.4%増)を見込む。売上高は横ばいながら、経費削減を徹底しつつEコマース(ネット販売)などの販売チャネルの強化拡充で増益を見込んでいる。

(4) その他(化成品)事業
売上高2,400百万円(前期比0.7%増)、営業利益180百万円(同112百万円増)を見込み、化成品部門のデジタルカメラや医療機器向け製品及び、金型部門の自動車部品向け製品の受注が好調で、増収増益と予想している。

3. 設備投資の見通し
2023年3月期の設備投資計画は、現状では4,669百万円(前期の約2.6倍)と過去5年間で2番目に高水準投資となる予定であり、事業拡大のための成長投資と位置付けている。内訳は2大中核事業(研磨材事業と化学工業品事業)向けが大半で、研究開発、合理化、省力化を中心である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)



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