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PBシステムズ Research Memo(4):サイバーセキュリティ対応で事業基盤を強化

注目トピックス 日本株
*11:04JST PBシステムズ Research Memo(4):サイバーセキュリティ対応で事業基盤を強化
■事業内容

1. セキュアクラウドシステム事業
ピー・ビーシステムズ<4447>の主力事業であるセキュアクラウドシステム事業は、デジタルワーク推進からDXの実現に至るまで、クラウド技術力で包括的な支援を展開している。具体的には、特定の企業・組織専用の「プライベートクラウド」の構築を事業の核に据えている。同事業においては、Citrix、Broadcom(旧 VMware)、DELL、Microsoftをはじめとする多様な技術オプションのなかから、セキュリティ、ストレージ、サーバーといったハードウェア及び各種ソフトウェアを最適に組み合わせ、DX実現の中核となるクラウド基盤を提示している。その支援範囲は、単なる設計・構築・保守にとどまらず、不測の事態における事業継続性を担保する「レジリエンス」の確保までを統合的に提供している点に大きな特徴がある。近年、深刻な社会問題となっているサイバー攻撃に対し、同事業は極めて高い優位性を備えている。具体的には、ランサムウェアや不正アクセス等に起因するシステム障害からの回復力やシステム自体の強靭化を指す「サイバーレジリエンス」において、実務レベルの深い知見と豊富な実績を有している。同社はBtoC向けのセキュリティ製品を直接開発・提供していないため、専門家としての側面が外部から判然としにくい面がある。しかし、2025年3月より開始した法人・自治体向けサービス「サイバー忍法帖」を通じて、コンサルティングから防御、監視、バックアップに至る一気通貫のソリューション提供を本格化させており、レジリエンス支援の側面を急速に強めている。特筆すべきは、独立系SIerとしての立ち位置である。特定ベンダーに縛られない多種多様な選択肢の中から、顧客の既存基幹システムとの整合性を緻密に踏まえた上で、最適解を導き出す提案能力は同社独自の強みと言える。2023年に、国内市場シェアで1位を獲得した実績もあるEDR※1製品を有する「Cybereason」のパートナーに加わったほか、2025年11月には急増するランサムウェア対策の強化を目的に、EDR製品「SentinelOne」と(株)アクトが運営するセキュリティオペレーションセンターを統合したソリューションの提案に向け、アクトとの協業も強化し、実績を積み上げている。2026年9月期上期には、ケンブリッジに拠点を置くDarktrace Holdings Limited.(以下、ダークトレース)が提供するNDR※2製品を扱い、実績を上げた。多様なセキュリティの提供をコンセプトとする「サイバー忍法帖」では商材を拡充し、多様な顧客要望にかなう提案を進める方針だ。

※1 Endpoint Detection and Responseの略で。PCやサーバーといった「エンドポイント」を保護対象に内部の挙動を常時監視し、不審な動きを検知・分析する。
※2 Network Detection and Responseの略。ネットワーク全体を流れるトラフィックを監視・分析することで脅威を検知・対応し、組織のネットワーク全体を俯瞰的に監視する。

なお、同社は売上高100億円〜500億円規模の中堅企業を主要顧客としてビジネス展開しており、近年は公共(自治体や各種団体など)領域での引き合いも増加している。同事業は、事業内容に応じて「プラットフォーム」「プロダクツ」「カスタマイザー」の3つの区分で構成されている。売上高の約9割を占める中核の「プラットフォーム」では、サーバーの仮想化や強靭なセキュリティ環境の構築を担っている。「プロダクツ」においては、仮想化環境に特化し、現場のニーズを的確に捉えた機能を製品化して販売を行う。そして「カスタマイザー」では、老朽化したシステムの刷新から業務ロジックの実装、DX推進の基盤となるデータベース構築までを手掛けている。


「MetaAnywhere」「MetaWalkers」の二本柱で需要を取り込む

2. エモーショナルシステム事業
エモーショナルシステム事業は、360度スクリーンへ3D映像をシームレスに投影する技術(特許第4166260号:立体映像の投影方法及び立体映像の投影装置)を中核に、没入感の高い体験共有型VRシアター「MetaWalkers」シリーズの製造販売を展開している。2026年5月時点における同シリーズの常設設置数は、国内の遊園地等を中心に12ヶ所、海外1ヶ所の計13ヶ所(研究機関向け等の非公開施設1ヶ所を除く)に達している。これに加え、本社ショールーム及び東京オフィスにデモ機を配備しており、来訪する既存顧客等への試用機会の提供を通じて、潜在的な需要の掘り起こしを進めている。

「MetaWalkers」は、従来遊園地等のアトラクション需要を主軸としていたが、現在は博物館や科学館での採用を足掛かりに、その活用領域が拡大している。ポストコロナの環境下において、防災、地方創生、介護医療、さらにはスポーツ分野への応用が加速しており、同技術の汎用性の高さが示されている。具体的な実績として、2025年9月期には九州産業大学及び同大学造形短期大学部の展示会において、「MetaWalkers」を活用したトレーニングシステムを出展した。さらに2026年9月期には、JFEスチール(株)西日本製鉄所主催の防災展示会に採用されたことは特筆に値する。これは、同社が注力する防災領域において、公共団体にとどまらず民間大手企業への導入事例を創出したものであり、今後のさらなる市場開拓に向けた試金石となるだろう。

2025年9月期第2四半期決算において、同社は「MetaAnywhere」における取り組みを公表した。同製品は、既存の構築物に対して180度や270度、あるいは壁面など、設置環境に応じた柔軟な投影角度に対応できる点が最大の特徴である。「MetaWalkers」のようなハードウェア投資を必要とせず、システムの実装のみで場所を選ばず「どこでも」リアルかつインタラクティブな映像体験を可能にする。導入プロセスの簡素化により、顧客側はアイデア次第で投影対象やコンテンツを容易に変更できるようになった。これにより、需要の変動に即した柔軟なシステム改修が可能となり、長期的な顧客満足度の維持に寄与するものと見られる。実績面では、2025年7月の「つくばエキスポセンター」での初採用を皮切りに、各種イベントやアミューズメントパークでの導入が相次いでいる。さらに、現在は大型アミューズメントパーク向けの案件が進行中であり、2026年7月のカットオーバーを予定している。顧客環境に即したフレキシブルな対応力は、既に市場から高い評価を得ているようである。今後は、高度な没入感を重視する用途には「MetaWalkers」を、空間演出や一定の臨場感を求める汎用的な環境には「MetaAnywhere」を充てるという「二本柱」の戦略を推進する方針である。用途に応じた最適なソリューションを提供することで、事業のさらなる成長を加速させる構えだ。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)



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