東邦ガス Research Memo(4):大黒柱のガス事業とLPG関連事業が中核(2)
[26/06/12]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*12:44JST 東邦ガス Research Memo(4):大黒柱のガス事業とLPG関連事業が中核(2)
■事業概要
4. 電気事業:特徴と業績動向
東邦ガス<9533>は、2016年に一般家庭向けの電力小売りが自由化されたのを機に電気事業に参入した。10年目を迎えた現在では、約1,000億円の事業規模、顧客数で70万件超と、長い歴史を誇るLPG事業に匹敵する規模に成長した。都市ガスやLPGで蓄積した顧客接点を生かし、ガスと電気を組み合わせた提案を営業上の強みとしている。
電気事業の売上高は2022年3月期以降、上下動を伴いながらも増加基調にある。前提となる顧客数が年平均成長率で8.6%増と推移しており、それに伴って販売量も増加傾向である。対して営業利益の変動は激しく、一例として、2023年3月期にはロシア・ウクライナ紛争などによる市場価格の高騰によって電力仕入価格が上がり、セグメント利益が大きく落ち込んだ。同社では、複数社からの分散調達や契約年度や期間の分散、相対契約とスポット調達の組み合わせといった収支改善に向けた取り組みを強化してきた結果、2025年3月期に黒字化を達成した。2026年3月期の売上高は前期比3.0%増の988億円、セグメント利益は同476.6%増の19億円とさらに収益性を向上させた。
5. その他事業:特徴と業績動向
同社は、2030年代半ばに目指す姿の1つとして「エネルギーの枠を超えたくらし・ビジネスのパートナー」を掲げている。現在進行中の中期経営計画においては、エネルギー以外の戦略として「地域を基点としたビジネスの深耕」を挙げ、具体的には、1) くらし・行政サポート、2) エンジニアリング、3) まちづくり・不動産開発、4) 情報サービス、5) アグリ・フードの5分野を設定した。地域価値創造ビジネス群の事業利益としては、2028年3月期に50億円を目指している。主体としては、不動産の管理・賃貸の東邦ガス不動産開発(株)、プラント・設備の設計施工を行う東邦ガスエナジーエンジニアリング(株)、情報処理・サービスの提供を行う東邦ガス情報システム(株)などである。また、海外事業もこのセグメントに含まれる。
その他事業の売上高は2022年3月期以降上昇トレンドで推移しており、収益性も高くセグメント利益率は2026年3月期に9.5%に達し、エネルギー関連事業を上回っている。2026年3月期の売上高は前期比0.1%減の610億円となったが、セグメント利益は同3.9%増の58億円と、順調に利益を拡大した。
■業績動向
2026年3月期は原料市況変動等のプラス影響により、経常増益
1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高が前期比0.8%減の6,510億円、営業利益が同2.9%増の317億円、経常利益が同16.9%増の378億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同23.6%増の314億円となり、売上高は前期並み、各利益は増益となった。
売上高に関しては、主力のガス事業で前期比0.6%減の4,265億円と微減となった。都市ガスの顧客数は前期末比9千件増の1,759千件、販売量は前期比1.5%減の3,300百万m3となった。販売量減少の要因としては、業務用等において顧客設備の稼働が前期を下回ったこと等がある。LPG・その他エネルギー事業の売上高は、同4.8%減の967億円となった。LPGの顧客数は同1千件増、販売量は同0.2%減の473千トンとなった。電気事業の売上高は、同3.0%増の988億円と順調に増加した。電気の顧客数は同25千件増、販売量は同2.9%増の2,897百万kWhと増加した。その他事業の売上高は、同0.1%減の610億円となった。
利益に関しては、ガス事業でのスライドタイムラグ(原材料費と売上高の期ずれ差益、前期比で約30億円増)が拡大したことや電気事業のセグメント利益の拡大等が、営業増益の要因となった。販管費に関しては、販管費は同3.9%増、販管費率で22.7%となった。特別利益として政策保有株式の売却益95億円が計上されている。
自己資本比率は59.0%で健全かつ安定した財務基盤
2. 財務状況と経営指標
2026年3月期末の資産合計は前期末比506億円増の8,094億円と資産規模が拡大した。そのうち固定資産は575億円増であり、投資その他の資産が587億円増加したことが主な要因である。流動資産は68億円減であり、受取手形、売掛金及び契約資産(811億円減)と現金及び預金(37億円減)がそれぞれ減少したことが主な要因である。
負債合計は前期末比215億円増の3,319億円となった。そのうち固定負債は317億円増、流動負債は101億円減であり、全体として有利子負債残高が増加した(同120億円増)。純資産合計は同291億円増加の4,775億円、自己資本比率は59.0%(前期末は59.1%)となり、健全な財務基盤を堅持している。また、同社は自己資本について4,000億円を目安に最適化すべく、中期的に自己株式の取得を進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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■事業概要
4. 電気事業:特徴と業績動向
東邦ガス<9533>は、2016年に一般家庭向けの電力小売りが自由化されたのを機に電気事業に参入した。10年目を迎えた現在では、約1,000億円の事業規模、顧客数で70万件超と、長い歴史を誇るLPG事業に匹敵する規模に成長した。都市ガスやLPGで蓄積した顧客接点を生かし、ガスと電気を組み合わせた提案を営業上の強みとしている。
電気事業の売上高は2022年3月期以降、上下動を伴いながらも増加基調にある。前提となる顧客数が年平均成長率で8.6%増と推移しており、それに伴って販売量も増加傾向である。対して営業利益の変動は激しく、一例として、2023年3月期にはロシア・ウクライナ紛争などによる市場価格の高騰によって電力仕入価格が上がり、セグメント利益が大きく落ち込んだ。同社では、複数社からの分散調達や契約年度や期間の分散、相対契約とスポット調達の組み合わせといった収支改善に向けた取り組みを強化してきた結果、2025年3月期に黒字化を達成した。2026年3月期の売上高は前期比3.0%増の988億円、セグメント利益は同476.6%増の19億円とさらに収益性を向上させた。
5. その他事業:特徴と業績動向
同社は、2030年代半ばに目指す姿の1つとして「エネルギーの枠を超えたくらし・ビジネスのパートナー」を掲げている。現在進行中の中期経営計画においては、エネルギー以外の戦略として「地域を基点としたビジネスの深耕」を挙げ、具体的には、1) くらし・行政サポート、2) エンジニアリング、3) まちづくり・不動産開発、4) 情報サービス、5) アグリ・フードの5分野を設定した。地域価値創造ビジネス群の事業利益としては、2028年3月期に50億円を目指している。主体としては、不動産の管理・賃貸の東邦ガス不動産開発(株)、プラント・設備の設計施工を行う東邦ガスエナジーエンジニアリング(株)、情報処理・サービスの提供を行う東邦ガス情報システム(株)などである。また、海外事業もこのセグメントに含まれる。
その他事業の売上高は2022年3月期以降上昇トレンドで推移しており、収益性も高くセグメント利益率は2026年3月期に9.5%に達し、エネルギー関連事業を上回っている。2026年3月期の売上高は前期比0.1%減の610億円となったが、セグメント利益は同3.9%増の58億円と、順調に利益を拡大した。
■業績動向
2026年3月期は原料市況変動等のプラス影響により、経常増益
1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高が前期比0.8%減の6,510億円、営業利益が同2.9%増の317億円、経常利益が同16.9%増の378億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同23.6%増の314億円となり、売上高は前期並み、各利益は増益となった。
売上高に関しては、主力のガス事業で前期比0.6%減の4,265億円と微減となった。都市ガスの顧客数は前期末比9千件増の1,759千件、販売量は前期比1.5%減の3,300百万m3となった。販売量減少の要因としては、業務用等において顧客設備の稼働が前期を下回ったこと等がある。LPG・その他エネルギー事業の売上高は、同4.8%減の967億円となった。LPGの顧客数は同1千件増、販売量は同0.2%減の473千トンとなった。電気事業の売上高は、同3.0%増の988億円と順調に増加した。電気の顧客数は同25千件増、販売量は同2.9%増の2,897百万kWhと増加した。その他事業の売上高は、同0.1%減の610億円となった。
利益に関しては、ガス事業でのスライドタイムラグ(原材料費と売上高の期ずれ差益、前期比で約30億円増)が拡大したことや電気事業のセグメント利益の拡大等が、営業増益の要因となった。販管費に関しては、販管費は同3.9%増、販管費率で22.7%となった。特別利益として政策保有株式の売却益95億円が計上されている。
自己資本比率は59.0%で健全かつ安定した財務基盤
2. 財務状況と経営指標
2026年3月期末の資産合計は前期末比506億円増の8,094億円と資産規模が拡大した。そのうち固定資産は575億円増であり、投資その他の資産が587億円増加したことが主な要因である。流動資産は68億円減であり、受取手形、売掛金及び契約資産(811億円減)と現金及び預金(37億円減)がそれぞれ減少したことが主な要因である。
負債合計は前期末比215億円増の3,319億円となった。そのうち固定負債は317億円増、流動負債は101億円減であり、全体として有利子負債残高が増加した(同120億円増)。純資産合計は同291億円増加の4,775億円、自己資本比率は59.0%(前期末は59.1%)となり、健全な財務基盤を堅持している。また、同社は自己資本について4,000億円を目安に最適化すべく、中期的に自己株式の取得を進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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