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【エグゼクティブサマリー】EYグローバル・ジェネレーションズ調査

2015.07.28

EYアドバイザリー株式会社

正社員の3分の1が、ワーク・ライフ・バランスを保つことは困難になったと回答
−特に若い世代と子を持つ労働者の負担が増加−

新しいグローバルサーベイの結果、ワーク・ライフ・バランスを保つことを困難にしている主な原因は、出費の増加に給与の伸びが追いついていないこと、労働時間の増加、職場と家庭における責任の増加であることが明らかになりました。

本サーベイは、EYの委託により、Harris Pollがオンラインで実施したものです。調査は2014年11月20日から2015年1月14日にかけて実施されました。調査対象となったのは、米国、英国、インド、日本、中国、ドイツ、メキシコ及びブラジルの様々な企業に雇用されている18-67歳の正社員9699人です。1国当たりの参加人数は約1,200人でした(米国1,208人、英国1,202人、ドイツ1,209人、インド1,219人、ブラジル1,208人、メキシコ1,206人、日本1,228人、中国1,219人)。

すべての標本調査及びアンケート調査は、確率標本抽出を用いているかどうかを問わず、標本抽出誤差、カバレッジ誤差、無回答誤差、質問の言い回しや回答の選択肢に関する誤差、調査後の重み付けや調整など、通常は定量化又は推計することのできない複数の誤差が生じる可能性があります。したがって、誤解を避けるために「誤差限界」という表現は使用していません。計算可能なものは、重み付けしていない回答率100%の純粋な無作為標本による、様々な確率の潜在的な標本抽出誤差のみです。公開アンケートが、このような理想値に近づくことはないため、これらは理論上のものにすぎません。

本サーベイの回答者は、Harris Poll 調査への参加に同意した人々の中から選ばれました。データは、各国の成人人口の構成に合わせて重み付けされています。標本はHarris panelへの参加に同意した人々に基づくため、理論的標本抽出誤差の推計は計算できません。

1. ワーク・ライフ・バランスを保つことは困難に

EYが発表した新しい調査結果は、正社員の3分の1が、この5年間でワーク・ライフ・バランスを保つことは難しくなったと回答していることを示しています。特に困難を感じているのは、若い世代と子を持つ労働者、そして一部の国の労働者です。
例えば、世界の正社員の3分の1(33%)が、この5年間で仕事と家庭の両立は困難になったと回答していますが、その理由として、最も多く挙がったのは「給与はそれほど増えていないのに支出が増えた」であり、ほぼ半数(49%)がこの理由を選びました。ほぼ同率で2位となったのは、「仕事の責任が増えた」(48%)です。3位以下は、「家庭の責任が増えた」(39%)、「労働時間が増えた」(36%)、「子が1人又は複数いる」(23%)でした。
●ワーク・ライフ・バランスを保つことは困難になったと回答した正社員の割合が最も高かったのはドイツ(49%)と日本(44%)で、米国は4人に1人(24%)にすぎませんでした。同様の回答をした正社員の割合が最も少なかったのは中国(16%)でした。
●女性や子のいる労働者(いずれも35%)は、男性(32%)や子のいない労働者(31%)よりも、ワーク・ライフ・バランスを保つことを難しいと考える傾向がやや強くなっています。どの国でも、子のいる労働者は子のいない労働者より、ワーク・ライフ・バランスを保つことは難しいと回答していますが、特に顕著だったのはドイツ(子供あり54%、子供なし47%)、英国(同42%、34%)、インド(同39%、26%)、米国(同29%、22%)でした。これらの国々に僅差で日本、ブラジル、メキシコが続き、いずれも子のいる労働者と子のいない労働者の回答には5%の開きが見られました。興味深いことに、これらの国々では、子のいる管理職の35%〜56%が、この5年間で労働時間は増えたと回答しています。
●どの国でも、仕事の責任と家庭/個人の責任の両立を難しいと考える人の割合は、ベビーブーム世代(30%)よりもミレニアル世代(35%)とジェネレーションX(34%)の方が、わずかに高い結果となりました。米国でも同じ結果です(ジェネレーションYとジェネレーションXでは26%、ベビーブーム世代では23%)。ドイツでは、ミレニアル世代の過半数(56%)が、ワーク・ライフ・バランスを保つことは難しくなったと回答しました。これは調査対象国のどの世代よりも高い数字でした。
●ワーク・ライフ・バランスを保つことが難しくなった大きな理由として、ミレニアル世代の約半数(47%)とジェネレーションXの約半数(51%)は仕事の責任が増えたことを挙げ、5人に2人超(ミレニアル世代44%、ジェネレーションX41%)は家庭の責任が増えたことを挙げました(ベビーブーム世代では29%)。この結果は、若い世代が2つの責任の板挟みとなっていることを示しています。
●仕事の責任が増えたと回答したのは、管理職では5人に3人(59%)に上ったのに対し、非管理職では3人に1人(33%)でした。
●米国限定の質問では、すべての管理職に現在の課題は何かとたずねたところ、トップ3は「十分な睡眠をとる(59%)」、「増えた責任に対応する(57%)」、「自分の時間を確保する」(57%)でした。4位以降は、「家族や友人のための時間を確保する」、「私生活と職業生活を両立する」(各53%)、「労働時間が増えている」(51%)でした。
●米国限定の質問では、10人に1人近く(9%)が「柔軟なスケジュールで働くことによって悪影響を受けた」と回答しました。ミレニアル世代に限れば、その割合は約6人に1人(15%)に上ります。悪影響には、失職、昇進・昇給の停止、興味のない仕事や目立たない仕事への配属、人前での叱責又は個人的な叱責などがあります。これは、柔軟な働き方に対する労働者の関心と企業の意識にずれがあることを示しています。
(注) 本サーベイにおける世代の定義は次の通り: ミレニアル世代/ジェネレーションY 18-33歳; ジェネレーションX 34-49歳; ベビーブーム世代 50-68歳
■【Data 1】、【Data 2】、【Data 3】ご参照

2. 労働時間が最も長かったのは?
週40時間労働制は、管理職に関する限り、過去のものとなったのかもしれません。管理職の約半数(46%)は週の労働時間が40時間を超えており、10人に4人(39%)は、この5年間で労働時間は増えたと述べています。労働時間が増えたと回答した人のうち、約3分の2(64%)は増加時間を週2〜4時間、3分の1(36%)は5時間以上と答えています。
●メキシコ(61%)、米国(58%)、インド(55%)、ブラジル(51%)では、管理職の過半数が週40時間を超えて働いています。中国では、労働時間が週40時間を超えている管理職は19%のみでした。英国では、管理職の34%が週の労働時間を40時間超と答えています。
●週の労働時間が増えたと回答した管理職が特に多かったのは、インド(53%)、ドイツ(44%)、ブラジル(43%)、メキシコ(42%)でした。しかし、どの国でも管理職の約4分の1〜2分の1超が、労働時間は増えたと報告しています。米国では、管理職の3分の1近く(32%)が、労働時間は増えたと報告しました。
●興味深いことに、柔軟な勤務スケジュールで働いている労働者の割合が最も高かったのはドイツ(70%)、インド及び米国(各61%)で、最も低かったのは中国(22%)と日本(30%)でした。中国と日本では、固定された標準的な業務時間で働いている労働者が多い一方で、週の労働時間が40時間を超えている管理職は他の国々よりも少数でした。
●世界全体で見ると、ベビーブーム世代(50%)の管理職は、ミレニアル世代(44%)やジェネレーションX(45%)の管理職よりも、週の労働時間が40時間を超える割合が高くなっています。若い世代は、この5年間で労働時間が増えたと回答していますが、この期間は多くの若い世代が管理職になったり、家庭を持ったりした時期と一致しています。労働時間が増えたと回答した管理職の割合は、ジェネレーションXでは38%、ベビーブーム世代では28%だったのに対し、ミレニアル世代では47%に上りました。
●メキシコ(61%)、米国(58%)、インド(55%)、ブラジル(51%)、ドイツ(45%)では、性別を問わず、管理職の約半数以上が週の労働時間が40時間を超えています。
●世界全体で見ると、週の労働時間が40時間を超えている管理職の割合は、子のいる管理職(44%)と子のいない管理職(50%)の間で顕著な差は見られませんでした。この結果は、子のいる労働者がワーク・ライフ・バランスを保つことを困難だと感じる傾向が強まっていることを裏付けています。この5年間で労働時間が増えたと回答した管理職は、子のいない管理職(37%)よりも、子のいる管理職(41%)の方が多い結果となりました。
■【Data 4】、【Data 5】ご参照

3. ミレニアル世代が管理職に

ミレニアル世代は管理層に移行しつつあります。ジェネレーションXでは、正社員の3分の2近く(65%)が他者の業務を管理していますが、ミレニアル世代でも、ほぼ同等の割合の従業員(62%)が他者の業務を管理しています。他者の業務を管理している正社員の割合が3番目に高いのはベビーブーム世代ですが、その割合は半分以下(46%)にすぎません。この変化は過去5年間(2009年〜2014年)に起きたもので、ミレニアル世代の管理職の85%が、この期間に管理職になったと回答しています。
●過去5年間に新たに管理職になったミレニアル世代の割合が最も高いのは中国(90%)、最も低いのは米国(76%)です。
●米国は他国と比べて、幅広い世代にまんべんなく管理職が存在します(ミレニアル世代39%、ジェネレーションX 37%、ベビーブーム世代35%)。また、米国の管理職は経験年数が長いのも特徴です。米国では、管理経験が10年を超える管理職の割合が他国(平均21%)の2倍を超えています(46%)。
●世界全体で見ると、ミレニアル世代が初めて管理職になった年齢として、最も多かったのは25〜29歳です。米国の結果も同様でした(47%)。
●世界全体で見ると、30歳未満で初めて管理職になった管理職の割合は男性が53%、女性が55%と、性別による違いはほとんどありませんでした。
●世界全体で見ると、子のいる従業員の4分の3近く(73%)が他者の業務を管理しているのに対し、子のいない従業員では、同様の仕事に就いている人は半数以下の47%でした。米国では、子のいる従業員の62%が30歳未満で初めて管理職に就いています。この割合は、調査対象国の平均(51%)を上回っています。
●興味深いことに、米国では正社員が子(実子・養子)を持った年齢の最多値が25〜29歳(27%)となっており、米国のミレニアル世代は同じ時期に親と管理職という2つの責任を負う傾向があることがわかりました。
●米国では、ミレニアル世代の過半数(53%)が、子を持つのに最も望ましい年齢は30代前半(30〜34歳)、次が25〜29歳(25%)と考えています。
■【Data 6】、【Data 7】ご参照

4. 経済が正社員に与える影響
この5年間に、経済は世界各国において、正社員が直面する課題に重要な役割を果たし、その生活に様々な形で影響を及ぼしました。
●世界全体では、従業員の約3分の1(31%)が経済状況を理由として転職しました。その割合が最も高かったのはミレニアル世代です(ジェネレーションY 37%、ジェネレーションX 31%、ベビーブーム世代24%)。
●正社員の5人に1人超(22%)が、配偶者又はパートナーに復職を勧め、4分の1(25%)が配偶者又はパートナーに「仕事と家庭を両立するために退職したり、労働時間を短縮したりしない」よう勧めています。
●経済状況が子のいる労働者を脅かしていることは、正社員の4分の1近く(23%)が子を増やさないことを決意し、5人に1人超(21%)が子を増やす時期を遅らせたことからも明らかです。
●経済状況の影響は結婚にも及んでいます。経済状況を理由として、正社員の6人に1人近く(15%)が離婚又は別居に踏み切り、ほぼ6分の1(13%)が離婚を延期しました。
●経済状況はこの5年間で、高等教育にもかなりの影響を及ぼしました。世界の正社員の4分の1近く(24%)が、経済状況が高等教育機関で学ぶ動機付けになったと回答しました。しかし、米国の正社員が高等教育機関で学ぶ傾向は、世界平均(24%)の半分(12%)となっています。
●一方、正社員の約5人に1人は、高等教育機関での学習を中断(19%)又は延期(22%)することを余儀なくされました。また、子の高等教育費用を負担する能力が低下したと回答した正社員も22%に上りました。
■【Data 8】、【Data 9】ご参照

5. 正社員の主な退職理由
景気が上向くにつれて、企業は従業員の退職防止に関心を持つようになっています。こうした企業のために――そして管理職や親となるミレニアル世代の増加に対応するために――今回の調査では正社員の主な退職理由を探りました。理由のトップ5は、昇給がほとんどない(76%)、昇進の機会がない(74%)、残業が多すぎる(71%)、職場にチームワークを奨励する雰囲気がない(71%)、上司が柔軟な働き方を認めない(69%)でした。
○6位は「フレックス制のスティグマ」(フレックス制を利用したり、休暇を取ったりすると、減給される/昇進できないという認識)(67%)、7位は在宅勤務など、勤務場所に関する柔軟性がない(65%)、8位は宿泊を伴う出張が多すぎる(62%)でした。
○続いて、9位は「メンターやスポンサーを見つけにくい」(57%)、10位は「上位の同僚に子のいる人や共働きの人がほとんどいない」(52%)でした。
●ミレニアル世代は他の世代と比べて、退職を真剣に検討すべき理由として、これらの要因を重視する傾向がやや強くなっています。これは、理想的と言えない状況からは積極的に離れようとするミレニアル世代の傾向を示していると言えるかもしれません。ミレニアル世代と他の世代の差が最も顕著だったのは柔軟性関連の項目、特に「フレックス制のスティグマ」でした(ジェネレーションY 72%、ジェネレーションX 67%、ベビーブーム世代59%)。
●子のいる労働者(78%)は子のいない労働者(70%)よりも、昇進の機会がないことを退職理由に挙げる傾向がありました。これは、多くの労働者が子を持った後もキャリアアップに意欲的であることを示しています。
○子を持った後もキャリアアップの意欲は衰えないとはいえ、柔軟性は退職を検討する理由として、子のいない労働者よりも子のいる労働者にとって、はるかに重要な問題となっています。おそらくは仕事と生活を両立しているロールモデルという意味で、子のいる労働者といない労働者の回答の差が最も大きかったのは、「上位の同僚に子のいる人や共働きの人がほとんどいない」という項目でした(子のいる労働者60%、子のいない労働者43%)。次に大きな差が見られたのは、在宅勤務など、勤務場所に関する柔軟性がない(同70%、59%)、職場における「フレックス制のスティグマ」(同72%、62%)、上司が柔軟な働き方を認めない(同72%、65%)でした。
●退職理由のトップ3(昇給がほとんどない、昇進の機会がない、残業が多すぎる)は、どの国でも過半数の正社員が挙げていますが、国によって多少の差が見られました。米国では、退職理由の1位は昇給がほとんどない(78%)であるのに対し、ドイツでは残業が多すぎる(75%)となっています。これは、管理職の労働時間の増加という指標で、ドイツが2位につけていることが原因かもしれません。メキシコでは、昇進の機会がない(84%)が転職する最大の理由でした。これらの項目は、各国のミレニアル世代の退職理由のトップでもありました。
■【Data 10】、【Data 11】ご参照


6. 世界の労働者が仕事に求めているものは何か
正社員が仕事を探す際に最も重視するものは「競争力のある給与・手当」であり、それに柔軟性関連の項目と「残業が多すぎない」が続きました。
●従業員が非常に重視する/とても重視すると回答したトップ5の項目のうち、同率2位(74%)となったのは、「柔軟に働くことができ、かつ、柔軟な働き方をしても昇進ルートから外れない」と「仕事と個人の目標を両立するために柔軟に働くことを同僚(上司を含む)が支援してくれる」でした。この他、正社員が求める柔軟性関連の特典は、必要な時は定型外の柔軟な働き方ができる(71%)、有給育児休暇を取得できる(69%)、残業が多すぎない(67%)でした。
●国を問わず、ミレニアル世代が重視する傾向のある項目は、有給育児休暇を取得できる(ジェネレーションY 74%、ジェネレーションX 71%、ベビーブーム世代58%)、社内託児所又は育児補助金がある(同62%、57%、47%)、週1〜2日の在宅勤務(同50%、48%、38%)でした。
●意外なことに、正社員の3分の2(64%)が、「家族の近くで暮らすために別の事務所に異動できる」を選びました。この項目は、「宿泊を伴う出張を減らすことができる」、「社内託児所又は育児補助金がある」(いずれも56%)、「必要な時はEメールや電話を遮断できる」(55%)、「週1〜2日又は週3〜5日の在宅勤務」(各46%、42%)よりも上位にランクインしました。
○米国では、ミレニアル世代の約半数(46%)が家族に近い事務所に異動できることを希望していますが、米国以外のミレニアル世代では、その傾向はさらに顕著でした(64%)。
■【Data 12】ご参照

◆米国スポットライト

7. 米国における共働き家庭
米国では、正社員の過半数(62%)が、少なくともフルタイムで働いている配偶者/パートナーを有しています。また、ミレニアル世代とジェネレーションXのパートナーがフルタイムで働いている確率は、ベビーブーム世代をはるかに上回ります。一方、パートナーが少なくともフルタイムで働いている確率は、子のいない労働者(57%)よりも子のいる労働者(70%)の方がはるかに高い結果となりました。
●ミレニアル世代(78%)とジェネレーションX(73%)はベビーブーム世代(47%)よりも、配偶者/パートナーが少なくともフルタイムで働いている傾向があります。
●ベビーブーム世代の4分の1超(27%)は、配偶者/パートナーは家庭の外で働いていない、又はフレックス制を利用して短時間勤務を行っている(10%)と回答しています。
○ミレニアル世代とジェネレーションXでは、配偶者/パートナーが家庭の外で働いていない(ミレニアル世代13%、ジェネレーションX14%)、又はフレックス制を利用して短時間勤務を行っている(同5%、4%)可能性ははるかに低くなります。
●米国では、子のいるミレニアル世代の管理職の多くが現在の課題として「自分の時間を確保する」(76%)を挙げました。次点は、「十分な睡眠をとる」と「私生活と職業生活を両立する」(67%)でした。
■【Data13】ご参照

8. 米国における有給育児休暇
米国では、子のいる正社員の3分の2近く(63%)が有給育児休暇を取得しておらず、女性の4分の3超(77%)は、配偶者/パートナーには有給育児休暇の取得資格がないと述べています。
●子のいるミレニアル世代(48%)は、年長の世代(ジェネレーションX 35%、ベビーブーム世代24%)と比べて、有給育児休暇を取得する傾向がはるかに高くなっています。有給育児休暇は男性(30%)よりも女性(46%)の方が取得する傾向があります。
○平均として、女性は4.5週間、男性は2.3週間の有給育児休暇を取得しました。
○平均取得日数は、ミレニアル世代とジェネレーションXが3.3週間、ベビーブーム世代は2.3週間でした。
●全体として、ミレニアル世代は他の世代よりも勤務の柔軟性と有給育児休暇を重視しているようです。こうした特典を利用できる場合、ミレニアル世代は他の世代よりも、他者に自分の会社を勧める可能性が高く(ミレニアル世代69%、ジェネレーションX 62%、ベビーブーム世代55%)、会社に対する帰属意識と満足度は高まり(ジェネレーションY 79%、ジェネレーションX 77%、ベビーブーム世代65%)、退職する可能性は低く(同86%、81%、68%)、入社する可能性は高く(同83%、76%、71%)、長い時間働く(同80%、80%、75%)傾向があります。
●ジェネレーションY(85%)とジェネレーションX(81%)はベビーブーム世代(70%)よりも、父親と母親の両方が休暇を取得するカップルは、育児での協力度も高いと考える傾向があります。
●女性(78%)は男性(66%)よりも、父親と母親は同程度の有給育児休暇を取るべきだと考える傾向があります。
●女性(71%)は男性(61%)よりも、育児休暇を取ることに対する社会の偏見と闘うために、父親と母親の両方が有給育児休暇を取るべきだと考える傾向があります。
●女性(71%)は男性(60%)よりも、「自分には利用可能な育児休暇をすべて取得する権利が与えられていると感じる」と考える傾向があります。

■【Data 14】ご参照

9. 子を持つことが米国のミレニアル世代に与える影響
米国では、子のいる正社員の4分の3(76%)が、子を持ったことで仕事の状況に何らかの影響があったと回答しました(例:自分自身又は配偶者/パートナーの退職、転職・異動、労働時間の短縮)。約3分の1(31%)は、子を持った後も労働時間は変わらないと回答しましたが、16%は労働時間が増えたと回答し、労働時間が減った回答した人は7%にとどまりました。子を持った後で労働時間が増えたと回答した人の割合は、ミレニアル世代ではジェネレーションXの2倍を超えました。
●子を持った後で労働時間が増えたと回答した人は、ミレニアル世代では4人に1人超(26%)だったのに対し、ジェネレーションXでは13%、ベビーブーム世代では16%でした。
●ミレニアル世代のパートナー/配偶者も、子を持った後で労働時間が増えたと回答する傾向がありました(ミレニアル世代12%、ジェネレーションX 6%、ベビーブーム世代7%)。
●また、ミレニアル世代のパートナー/配偶者が子を持った後で退職する確率は、ベビーブーム世代の半分でした(ミレニアル世代9%、ジェネレーションX 12%、ベビーブーム世代18%)。

10. 経済/キャリア関連の要因が子を持つことに与える影響
給与・手当、住宅資金の有無、学生ローン等の債務の返済状況、有給休暇の取得可能性などはどれも、子を持つかどうかやその時期に関する判断に大きな影響を与えます。
●正社員の過半数が、子を持つかどうかの判断に最も大きな影響を与える経済・キャリア要因のトップ3として、給与(72%)、手当(69%)、住宅資金の有無(62%)を挙げました。
○4位以降は、「現在の職場又は別の組織での昇給の機会」(60%)、自宅の近くに仕事が見つかる(52%)、「現在の職場又は別の組織での昇進の機会」及び「柔軟な働き方ができる」(各51%)でした。
○その他の上位要因は、他の家族の近くに仕事が見つかる(40%)、「学生ローン等の債務の完済」、「有給育児休暇の有無」(各38%)でした。
●子を持つかどうかの判断を下す際に、ミレニアル世代が考慮する経済・キャリア要因は他の世代とはやや異なりました。最大の違いは、住宅資金の有無(73%)がトップに来たことで、これに手当(71%)、給与(70%)、昇給の機会(62%)が続きました。
○この他にミレニアル世代が選んだ上位要因は、柔軟な働き方ができる(59%)、昇進の機会(56%)、他の家族の近くに仕事が見つかる(47%)、有給育児休暇の有無(47%)でした。
●ほぼすべての国で、ミレニアル世代は他の世代よりも、経済が子を持つ時期の判断に影響を与えたと回答する傾向がありました。ミレニアル世代の約3分の1(32%)が、経済全体に対する不信感を表明したのに対し、ジェネレーションXでは29%、ベビーブーム世代では15%でした。ミレニアル世代は他の世代と比べて、子を持つ時期に影響を与える要因として、個人の債務(37%)、特に学生ローン(30%)、大学卒業後の就職難(29%)、大学卒業後の親との同居(27%)を挙げる傾向がありました。

11. 米国における子育てと仕事に対する姿勢
●米国では、男性(65%)も女性(62%)も、仕事をただの労働(例:単なる生計手段)ではなく、キャリア、すなわち自分のアイデンティティの重要な一部と見なしています。
●ミレニアル世代(80%)はジェネレーションX(66%)やベビーブーム世代(65%)と比べて、家庭の外で仕事をするためには協力者(家族、友人、介護者)の強力なネットワークが必要だと考える傾向があります。
●ミレニアル世代(77%)はジェネレーションXやベビーブーム世代(いずれも66%)と比べて、家計の点から合理的な選択であるなら、家庭にとどまると回答する傾向があります。


12. 米国の労働者がワーク・ライフ・バランスを保つために払う犠牲
米国において、仕事の責任と家庭/個人の責任を両立するために、最も多くの労働者が払った犠牲、又は払うことをいとわない犠牲は、転職(同職種・業種への転職が63%、別職種・業種への転職が57%)でした。また、正社員の過半数(54%)は、仕事と生活を両立するために昇進の機会をあきらめた、又はあきらめることをいとわないと回答しています。興味深いことに、米国は有給育児休暇制度のない唯一の先進国であるため、ミレニアル世代の3分の1超(38%)は、ジェネレーションX(28%)又はベビーブーム世代(11%)と比べて、「育児休暇制度が整った国に移住する」と回答する傾向がありました。
●全体として、ミレニアル世代は仕事の責任と家庭/個人の責任を両立するために犠牲を払った、又は払うことをいとわないと考える傾向があります。
○例えば、米国のミレニアル世代はどの世代よりも、ワーク・ライフ・バランスを保つために、同職種・業種(77%)又は別職種・業種(76%)に転職する、昇進の機会をあきらめる(65%)、別の土地に引越す(66%)ことを選択する傾向があります。
○米国のミレニアル世代は、家族の近くに引越す(62%)、柔軟に働くために減給を受け入れる(44%)傾向も高くなっています。
●全体として見ると、意外にも男性は女性より、仕事と家庭を両立するために犠牲を払うことをいとわない傾向があります。同職種・業種(男性67%、女性57%)又は別職種・業種(男性60%、女性52%)に転職した、又はそうすることをいとわないと回答した人も女性より男性の方が多いと結果となりました。同様に、昇進の機会をあきらめる(男性57%、女性49%)、別の土地に引越す(男性50%、女性46%)、家族の近くに引越す(男性46%、女性38%)、減給を受け入れる(男性36%、女性33%)、育児休暇制度が整った国に移住する(男性26%、女性18%)といった項目でも、男性の優位が見られました。

■【Data 15】ご参照

13. 家族のためのキャリア中断
アメリカ人の3分の1近く(32%)が、子育てのためにキャリアを中断し、配偶者/パートナーの44%が、同じ理由でキャリアを中断しました。
●米国では、すべての世代を通じて、女性正社員の半数(50%)がキャリアを中断しましたが、男性も約4分の1(22%)がキャリアを中断しています。
●ミレニアル世代(50%)は、ジェネレーションX(75%)やベビーブーム世代(67%)と比べて、子を持った後でキャリアを中断する可能性が大幅に低くなっています。

14. 出張
仕事と家庭の責任を両立するニーズをさらに増大させているのが、出張の問題です。正社員の過半数(72%)は宿泊を伴う出張をしていませんが、子のいるミレニアル世代の従業員は、子のいない従業員に比べて、宿泊を伴う出張をする傾向が2倍となっています。また、宿泊を伴う出張をしているジェネレーションX及びミレニアル世代の従業員は、ベビーブーム世代よりも大幅に多くなっています。
●興味深いことに、子のいる従業員(44%)は子のいない従業員(22%)よりも出張する傾向が倍以上となっており、ミレニアル世代に関して言えば、子のいる従業員(47%)が宿泊を伴う出張をする傾向は、子のいない従業員(25%)のほぼ倍となっています。
●ジェネレーションX(38%)は、宿泊を伴う出張をする傾向がベビーブーム世代(18%)の倍以上となっており、2位は僅差でミレニアル世代(34%)です。
●管理職(47%)は非管理職(17%)よりも、宿泊を伴う出張をする傾向が大幅に高くなっています。
●男性(36%)は女性(21%)よりも、宿泊を伴う出張をする傾向があります。


《 本件に関するお問い合わせ先 》
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