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武田薬品工業<4502>は6月27日に定時株主総会を開催しました。創業家十数人とＯＢら計112人の株主が名を連ねた事前質問状が総会に向けて送りつけられ、出席者たちの関心を集めていました。この株主総会において、最後に質問を許されたのは「武田」と名乗る男性でした。彼は武田薬品に勤務経験のある創業家一族の1人で、「もし、今日の話が実行できなかったら、総退陣はあるのですか」と問いただしました。

これを受けて、長谷川社長は「経営者はコンプライアンスをきちんと守って結果を出すのが全てである」、「コンプライアンスの部分で足元から崩れたことについては、痛恨の極みであります。二度とこのようなことが起こらないようにする所存ですが、一方で業績がきちんと期待通りに上げられないようであれば、そこで責任を取ることは当然のことであります」と応じました。

このコンプライアンス問題とは、自社医薬品に関する臨床試験で同社の不適切な関与が発覚した件です。国も調査に乗り出しており、元社員が逮捕されたノバルティスファーマのようにさらに大問題に発展する可能性もあります。コンプライアンス面で失った信頼を取り戻すことは喫緊の課題ですが、信頼という点では、外国人を中心に固められた現経営に不信を募らせる社員の人心を掌握するマネジメント、求心力の回復も急がれます。

総会では全議案が賛成多数で承認されました。新体制にとって最大の試練となる1年が幕を開けたことになります。



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