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新興市場見通し:リクルートHD上場に伴う換金売り一巡は需給面で好材料

注目トピックス 市況・概況

先週の新興市場は、前週からの調整局面が続き、大幅下落となった。世界景気の停滞に対する懸念や米国の早期利上げ懸念の台頭などから海外市場が不安定となるなか、国内でも景気敏感株や輸出関連株を中心に売り圧力が強まり、日経平均は7日から10日まで100円以上の下落が続いた。ソフトバンク<9984>が軟調になると、個人投資家の需給悪化懸念などが新興市場にも波及する格好に。16日に控えたリクルートHD<6098>上場に伴う換金売りも出たようだ。なお、週間の騰落率は、日経平均が-2.6%であったのに対して、マザーズ指数は-6.1%、日経ジャスダック平均は-3.0%だった。マザーズ指数、日経ジャスダック平均ともに8月前半に付けた安値を下回る場面もあった。

個別では、サイバーダイン<7779>が週間で5.8%安、タカラバイオ<4974>が同8.7%安と、マザーズ時価総額上位銘柄が週末にかけて値を崩し、指数を押し下げた。マイクロニクス<6871>やガンホー<3765>などのジャスダック主力銘柄も軟調。一方、ミクシィ<2121>は10日大引け前に急速に値を戻し、週間ではプラスで取引を終えるなど、押し目買い意欲の強さがうかがえる銘柄も。また、9月30日に新規上場したFFRI<3692>は上値追いが続いており、ロックオン<3690>やJIA<7172>などの直近IPO銘柄が連れ高する場面も見られた。その他、シーテック開催でウエアラブル端末関連としてトレックス<6616>が物色されたほか、エナリス<6079>は電力需給調整の新サービス開始との報道、東洋合成<4970>は3D細胞培養システムに関するリリース、キャンバス<4575>は抗がん剤候補物質の特許査定受領がそれぞれ好材料視された。

今週の新興市場は、マザーズ指数で800ポイント台前半の攻防を軸に、引き続き値動きの荒い展開が想定される。10日の米国市場が半導体メーカーの業績下方修正などで100ドルを超える下落となった流れを受けて、週明けの東京市場は主力株を中心に軟調なスタートとなろう。新興市場も引き続き投資家心理の悪化が重しとなる一方、ミクシィなどには押し目買いの動きも見られた。週明けの取引でマザーズ指数が8月安値水準であった800ポイント台前半の水準を維持できれば、換金売りに押されていたサイバーダインなどの他の主力株にも押し目買いの波及が期待されるところ。リクルートHD上場に伴う換金売り一巡も需給面で好材料となろう。

物色は、FFRIの上値追い継続に刺激され、引き続き直近IPO銘柄に向かう可能性があろう。また、米国で14日にインテル、16日にグーグルの決算発表が控えており、半導体・ネット関連にも関心が高まる公算。16日の米アップルのイベントでは次期iPadが発表されるとみられており、関連銘柄には材料視されよう。一方、経産省が太陽光発電の新規認定を一時凍結する検討に入ったと報じられており、再生エネルギー関連銘柄には弱材料となる可能性。14日のウエストHD<1407>の決算発表も注目されよう。

その他、今週の主な決算発表は、14日にいちごHD<2337>などが予定されている。また、16日には東証1部にリクルートHDが新規上場予定。抜群の知名度や高収益イメージなどが追い風で、公開価格を上回るしっかりした初値形成となれば新興市場にもポジティブな影響を与えよう。



<TN>

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