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3Dマトリックス Research Memo(6):自己組織化ペプチド技術を用いた製品は医薬品領域へと市場領域を広げる

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

(3)次期開発パイプライン候補

次期開発パイプラインの有力候補としては、慶応義塾大学病院の医師主導による臨床研究(内視鏡的食道粘膜下層剥離術(ESD)後の食道瘢痕狭窄予防、消化器粘膜創傷治癒促進)と、国立がん研究センターとの共同研究であるトリプルネガティブ乳がん患者向け核酸医薬品の開発が挙げられる。

慶応大学病院では既に100症例以上の患者にPuraMatrixを用いた臨床研究を実施しており、良好なデータが得られている模様だ。同社<7777>では、200症例の研究を終えた段階で、メーカーと共同開発に移行する可能性があるとしている。ESD後の合併症である食道狭窄を予防する方法は確立されておらず、また後出血による創傷治癒の遅延なども問題になっている。食道狭窄については食道拡張術で対処しているが(年間約2万件)、施行が多いときには数十回に及ぶケースもあるため患者の負担も大きい。PuraMatrixの適用によって、食道狭窄の予防や後出血の防止による創傷治癒の早期化が図れれば、患者にとってもメリットは大きく、ニーズは大きいと言えよう。

一方の乳がん患者向けの核酸医薬品開発に関しては、自己組織化ペプチドA6KをDDS(Drug Delivery System)として開発を進めており、現在の開発状況は順調に進んでいる。同プロジェクトは2011年度から5年間の予定となっているが、共同研究終了後は、製薬メーカーとの共同開発に移行し、治験を目指していく考えだ。

以上、見てきたように同社の自己組織化ペプチド技術を用いた製品は、止血材などの外科領域から再生医療領域、医薬品領域へと市場領域を広げつつあり、将来的な成長性に対する期待は大きいと言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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