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アーバネット Research Memo(7):2015年6月期2Qは投資用ワンルームの販売戸数が大きく伸長

注目トピックス 日本株

■決算動向

(2)2015年6月期第2四半期決算の概要

アーバネットコーポレーション<3242>の2015年6月期第2四半期累計決算は、売上高が前年同期比33.6%増の4,831百万円、営業利益が同36.3%増の496百万円、経常利益が同33.7%増の361百万円、純利益が同26.1%減の228百万円と大幅な増収及び営業増益となった。なお、純利益が減益となったのは、税務上の繰越損失が2014年6月期に解消したことにより、法人税等が普通に適用されたためである。一方、期初予想との対比では、売上高が96.6%と若干計画を下回ったものの、営業利益は112.7%と計画を大きく上回った。

主力の不動産開発販売事業において、投資用ワンルームの販売戸数が267戸(前年同期比107戸増)と大きく伸長した。売上高が期初予想を若干下回ったのは、販売までの進捗にやや遅れがあったことが要因と考えられるが、ほぼ計画どおりと見るのが妥当であろう。

利益面では、想定していたとおり、地価の上昇や円安の影響を含めた建設資材の高止まりに加えて、売上総利益率の高い分譲用マンション(ファミリー及びコンパクト)の販売がなかったことから、売上総利益率が18.7%(前年同期は19.6%)に低下したが、販売価格が想定よりも若干上昇したことや販管費の大幅な圧縮により、営業利益率は10.3%(前年同期は10.1%)と期初予想(8.8%)を大きく上回った。

貸借対照表の状況については、総資産が13,747百万円(前期末比27.8%増)と大きく増加した。その内訳として、下期に販売見込みである竣工済の販売用不動産1,830百万円のほか、開発中の仕掛販売用不動産が8,378百万円(前期末比32.8%増)と順調に積み上がったことに起因する。また、固定資産も賃貸収益物件の取得などにより1,478百万円(前期末比44.9%増)に増加している。

一方、有利子負債は、棚卸資産(販売用不動産及び仕掛販売用不動産)の増加や賃貸収益物件の取得により、長短併せて8,588百万円(前期末比37.1%増)に拡大したことから、自己資本比率は23.6%(前期末は29.5%)に低下した。ただし、地価が上昇傾向にあることに加えて、用地確保が困難になってきた環境下において、将来の成長に向けた積極的な用地仕入れや新たな安定収益源の確保に取り組んだ結果と評価できる。

キャッシュフローの状況についても、営業キャッシュフローが大きくマイナス(1,958百万円の支出)となっているのは、売上計上を上回る積極的な用地仕入れ(来期以降の販売予定分)を行ったことによる。また、投資キャッシュフローのマイナス(484百万円の支出)も賃貸収益物件の取得によるものである。

2014年12月末現在の自社開発物件の状況は以下のとおりである。2017年6月期までの販売予定物件として1,358戸のプロジェクトが進行している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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