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SI Research Memo(3):「時間を奪うのではなく、時間を与えるソフトウェアを創り続ける」(2)

注目トピックス 日本株
■事業概要

3. ERP・AI事業
ERP・AI事業では完全Web型ERPパッケージ「GRANDIT」の開発、導入販売を行っている。「GRANDIT」は13社のIT企業が参画したコンソーシアム方式で運営されているERPパッケージのことで、システムインテグレータ<3826>は2004年のコンソーシアム結成時より「GRANDIT」の企画・開発に携わり、普及拡大に貢献してきた。「GRANDIT」の顧客ターゲットは年商数百億円規模の中堅企業から最近は大企業向けの実績も増え始めており、導入社数はコンソーシアム全体で1,200社超まで拡大している。「GRANDIT」の特徴は、完全WebベースのERPであり、バージョンアップ時におけるクライアント側でのメンテナンスが不要なこと、また、スマートデバイスにも対応可能なことが挙げられる。ハードウェアに依存しないため、Webが動作する環境であればどこでもシステムの利用が可能となる。また、13社それぞれの技術ノウハウが「GRANDIT」の製品開発に生かされるため、機能面での競争力も高い。2020年6月にリリースした最新版の「GRANDIT3.1」では、API機能を標準提供し、SFAなど営業支援システムとの相互連携を実現するなど日々進化を続けている。

同社の導入実績は百数十社と、コンソーシアムのなかでトップの実績を誇っており、販売実績No.1の企業に与えられる「GRANDIT AWARD Prime Partner of the Year」についてもAwardが開催された2008年から2020年までの13年間のうち6回受賞している。同社の強みは、「GRANDIT」の基本機能を補完するアドオンモジュールとして製造業向けの「生産管理アドオンモジュール」や「継続取引管理アドオンモジュール」のほか、ソフトウェア業界向けには「OBPM」と連携させた「プロジェクト管理テンプレート(ITテンプレート)」などを自社開発するなど、幅広いソリューションに対応できる開発力を持つことが挙げられる。さらに、RPAやAIと組み合わせた業務自動化提案力や、AWS、Microsoft Azure等のパブリッククラウドベースでのインテグレーションサービスにも対応可能となっている。

ERPの国内市場規模は、コロナ禍でも拡大基調が続いたもようだ。デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)の取り組みの一環として、基幹システムを再構築する動きが続いているほか、オンプレミスからクラウドへ移行する動きが活発化していることも一因となっている。今後についても、ERPの最大手であるSAPが既存システムの保守サポートを2027年度で終了することを発表しており、大手企業を中心に既存システムを次世代ERPに移行する、または他のERPに切り替える動きが継続するもようで、年率10%近い成長が続くものと予想されている。

ERPベンダーは顧客規模別に棲み分けが進んでおり、大企業向けではSAPやOracleが強い。同社の顧客対象は中堅企業が中心で、競合品は富士通<6702>の「GLOVIA」やオービック<4684>の「OBIC7」などとなる。また、ここ最近は顧客ニーズの多様化に伴い、受注単価も1件当たり3〜5億円程度と大型化する傾向にある。売上総利益率は製品構成や仕様などによって変わるため一概には言えないが、平均すると20%台後半の水準となり、想定される営業利益率は1ケタ台後半の水準となる。「GRANDIT」についても2019年3月からサブスクリプションモデルでの提供を行っているが、実績としてはまだ少ない。

また、AI事業としてディープラーニングと画像認識技術を利用した異常検知システム「AISI∀-AD(Anomaly Detection)」を2018年10月にリリースしている。同システムは製造ラインで人が目視検査していた工程を、ディープラーニング技術を用いて自動化することにより大幅な省力化を実現するシステムである。ディープラーニングは学習に最適な環境が整備されているMicrosoftのAzureクラウドを利用し、異常検知処理は高速でリアルタイムに判定できるようにするため、エッジコンピュータを用いるシステム構成となっている。検査対象物や要求精度が顧客によって異なるため、個々の案件ごとに仕様を固めていく必要がある。システム導入にあたって、カメラやコンピュータ等のハードウェアはパートナー企業が販売し、同社は「AISI∀-AD」にかかる費用のほか、導入・運用サポート料を売上計上する。導入料金は1ライン当たり500万円程度を目安としている。同社のERP製品は製造業向けで導入実績が多く、ERP導入で蓄積した業務ノウハウを武器に顧客開拓を進めていく戦略となっている。

4. その他
その他には新規事業が含まれる。既に売上に貢献しているサービスとして、2018年1月にリリースしたプログラミングスキル判定サービス「TOPSIC」がある。プログラミング言語に依存しない共通スキルであるアルゴリズム力を問う問題を難易度別(6段階)に組み合わせてオンラインで出題・採点し、受験者のスキルレベルをチェックするサービス「TOPSIC-PG」からスタートし、2021年2月には業務系でよく使われているデータベース関連の言語であるSQLのスキルチェックを行うサービス「TOPSIC-SQL」も開始している。企業における技術者採用時のスクリーニングや社員向け教育研修ツールとして、また、外注先企業を選定する際のスキルチェック用としての利用を見込んでいる。多言語に対応しているため、外国人エンジニアの採用やオフショア企業選定の際にも活用できるメリットがある。2021年8月末時点の顧客数は70〜80社程度(学校含む)と見られる。

料金プランは、従量制(回数課金)と定額制(人数課金)に分かれている。従量制の場合、スタンダードプランで年間基本料3.8万円と受験1回当たり1.9万円となり、定額制の場合、スタンダードプランで年間基本料30万円と利用人数に応じた年間利用料が付加される(学校向けはスタンダードプランの1割で提供)。プログラミングスキル判定サービスの競合としては、(株)ギブリーの「track(トラック)」がある。「TOPSIC」との違いは、カバーする範囲が上流の設計分野からプログラミング分野まで広範囲にわたるほか、試験機能だけでなく学習機能を備えていることが挙げられる。このため、サービス料金も同社よりもやや高めの設定となっている。手軽にエンジニアのプログラミングに関するスキルチェックを行いたい場合は、「TOPSIC」の方が使い勝手が良いと思われる。

なお、同社は「TOPSIC」の認知度向上も兼ねて、2018年から「TOPSIC」を用いた企業・学校対抗プログラミングコンテスト「PG Battle」を開催している。1チーム3人制で、出題された問題を解くプログラムを90分間に4つ書いて、オンライン提出するというもので、3人の合計点数と所要時間を競う。第1回大会は企業・学校合わせて260チーム、780名が参加し、2021年10月に開催された第4回大会では423チーム、1,269名が参加している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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